大多亮氏が関西テレビ社長を辞任しました。フジテレビの名プロデューサーとして数々のヒットドラマを手がけた同氏ですが、中居正広氏の性加害問題への対応をめぐり批判を浴び、わずか10ヶ月でその座を降りることとなりました。今回は、辞任劇の背景、そして社員集会での様子など、その真相に迫ります。
大多亮氏、栄光と挫折の軌跡
1989年の「君の瞳に恋してる!」、1991年の「東京ラブストーリー」など、一世を風靡したトレンディードラマを数多く手がけた大多亮氏。その手腕は高く評価され、2023年6月には関西テレビの社長に就任。経営手腕への期待も高まっていました。しかし、2024年初頭に「週刊文春」で中居正広氏の性加害問題への関与が報じられると、状況は一変。第三者委員会の調査報告書でも責任を問われ、辞任へと追い込まれることとなりました。
大多亮氏と鈴木保奈美さんの写真
中居正広氏性加害問題への対応と批判
第三者委員会の報告書によると、大多氏はフジテレビ編成担当専務時代に中居氏の性加害の報告を受けていながら、「プライベートの男女間トラブル」と判断し、番組出演継続を決定したとされています。この判断は「性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しい」と厳しく批判されました。大多氏は辞任会見で被害者に謝罪する一方で、中居氏を起用し続けた理由について「性被害の事実が広がれば、女性が自死してしまう危険性があると考えた」と弁明。しかし、この発言は世論の反発を招き、火に油を注ぐ結果となってしまいました。
辞任会見後の社員集会:涙とあぜんとした表情
辞任会見後、大多氏は関西テレビ社員に向けて集会を開きました。しかし、この集会は多くの社員にとって複雑な思いを抱かせるものとなったようです。開催時間が16時と早かったため、多くの現場社員は参加できず、不満の声も上がりました。
「社長室から見る扇町公園の桜は、これが最初で最後だ」
大多氏のこの言葉に涙を流す社員もいた一方で、多くの社員は「だからなんやねん」と冷めた反応を示したといいます。
社員たちの反応
匿名を条件に取材に応じたある社員は、「大多さんの功績は認めつつも、今回の件は残念でならない。経営者としての責任を真摯に受け止めて反省してほしかった」と語りました。一方で、別の社員は「最後まで大多さんらしい、ドラマチックな幕引きだった」と複雑な心境を吐露しました。
大多亮氏の記者会見の様子
今後の関西テレビ:新たな船出への期待
大多氏の辞任は、関西テレビにとって大きな転換期となるでしょう。テレビ業界全体が激動の時代を迎える中、新たなリーダーシップのもと、どのような未来を描いていくのか、注目が集まります。視聴者の信頼を取り戻し、再び輝きを取り戻すことができるのか、今後の関西テレビの動向から目が離せません。