米国土安全保障省(DHS)の長官、クリスティー・ノーム氏が、その行動によって度々批判を浴びている。銃器の不適切な取り扱いから高級時計の着用まで、国民の不信感を招く行動が続いている。一体何が問題となっているのか、詳しく見ていこう。
銃器の取り扱いに関する批判:味方の頭部へ銃口を向ける失態
アリゾナ州で行われた不法移民者逮捕の広報映像において、ノーム長官は移民局職員と共に銃を手にした姿で登場した。しかし、その際に銃口を職員の頭部に向けていたことが大きな批判を呼んだ。銃器安全の専門家からは、たとえ味方であっても銃口を人に向けることはあってはならないと指摘されている。加えて、ノーム長官の指が引き金に近すぎる状態であったこと、防弾チョッキの着用方法も不適切だったことなど、銃器の取り扱いに対する未熟さが露呈した形となった。英国のデイリーメール紙もこの件を取り上げ、銃器安全の基本原則を無視した行動だと批判している。
ノーム長官が銃を構える様子
銃器の安全な取り扱いは、法執行機関の長として当然備わっていなければならないスキルである。今回の件は、ノーム長官の資質を問う声も上がっている。
高級時計着用で批判:国民感情との乖離
ノーム長官は、就任後初の外遊先であるエルサルバドルのテロ犯拘禁センター視察の際、高級ブランド「ロレックス」とみられる腕時計を着用していたことが物議を醸した。報道によれば、その時計は約882万円相当の高級品とされている。国民の生活が苦しい中で、高額な時計を身につける姿は国民感情と乖離していると批判が集まった。
食の安全を守るNPO法人代表、山田一郎氏(仮名)は「国民の税金で運営される機関の長として、より国民に寄り添った行動が求められる」と指摘する。
パフォーマンス重視の姿勢への疑問:真摯な対応を求める声
これまでもノーム長官は、移民局の急襲現場に同行した際、「フルメイク」で防弾チョッキを着用したり、カウボーイハットをかぶって馬に乗りテキサス州とメキシコの国境を視察したりするなど、パフォーマンス重視の姿勢が目立っていた。こうした行動は、一部から「政治的なパフォーマンス」と捉えられ、問題解決への真摯な姿勢が欠けているとの批判も出ている。
ノーム長官が視察の様子
ノーム長官の一連の行動は、国民の安全を守るという職責を果たす上で、本当に適切な行動と言えるだろうか。国民の信頼回復に向けて、今後の動向が注目される。