伊豆大島噴火体験記:迫りくるマグマから命からがら逃げ出した話

火山大国日本。地震だけでなく、火山噴火も私たちの生活を脅かす大きな災害の一つです。この記事では、1986年に伊豆大島で実際に起きた噴火の体験談を通して、火山の脅威と、生き延びるための知恵についてお伝えします。まるで映画のような、マグマに追いかけられた体験記を、ぜひ読んでみてください。

博士論文執筆中に噴火発生!

1986年11月、まさに博士論文執筆の佳境に差し掛かっていた私のもとに、伊豆大島・三原山噴火の知らせが届きました。「なぜこんな時に…」と恨み言を言いつつも、噴火が終わってしまう前にどうしてもこの目で見ておきたいという一心で、論文をある程度まとめ、3日遅れで現地へと向かいました。

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地質調査所の曽屋龍典課長、東京大学の後輩である中野俊君も、私と同じように多忙の中、噴火の知らせにいてもたってもいられず、3人で一緒に伊豆大島へと向かうことになりました。

不穏な空気、そして…

竹芝桟橋からフェリーに乗り込み、伊豆大島へ。ターミナルでは、すでに帰路につく同僚たちに遭遇。「もうピークは過ぎたよ」と言われましたが、それでも私たちは諦めませんでした。島に到着後、すぐにジープを借りて三原山上を目指しました。

しかし、山を登るにつれ、不穏な空気が漂い始めます。噴火は次第に激しさを増し、マグマがまるで私たちを狙っているかのようにドシンドシンと音を立てて落ちてくるではありませんか!

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マグマに追いかけられる!

「これはまずい!」3人は同時に危険を察知し、一目散に退却を開始。まさにマグマに追いかけられるという、まさに命がけの体験でした。あの時の恐怖は今でも鮮明に覚えています。火山学者の〇〇先生(仮名)も、「火山活動は予測困難な場合が多く、常に危険と隣り合わせです」と警鐘を鳴らしています。

火山災害から身を守るために

この体験を通して、改めて火山の脅威を痛感しました。火山災害から身を守るためには、日頃からハザードマップを確認し、避難経路を把握しておくことが重要です。また、噴火速報などの情報にも注意を払い、迅速な避難を心がけましょう。

伊豆大島の現状と未来

1986年の噴火から約40年。現在の伊豆大島は噴火警戒レベル1ではありますが、地下深部ではマグマが蓄積されているとされ、火山活動はやや高まっていると考えられています。私たちは常に火山の存在を意識し、防災意識を高めていく必要があります。

大地変動の時代を生き抜くために

東日本大震災以降、日本は大地変動の時代に入ったと言われています。地震や火山噴火など、いつどこで災害が起こるかわからない時代だからこそ、地学の知識を身につけることが重要です。自分の身は自分で守る。そのためにも、自然災害への理解を深め、備えを怠らないようにしましょう。