台湾における対日意識調査で、日本への好感度が過去最高の76%に達し、「最も好きな国」で1位を獲得しました。この結果は、日台関係の深まりを示す一方で、中国への警戒感の高まりも浮き彫りにしています。
日台友好、過去最高の数値を記録
日本台湾交流協会が実施したインターネット世論調査によると、「最も好きな国」に日本を挙げた台湾人の割合は、76%と過去最高を記録。2022年の調査から16ポイントも上昇し、2位の韓国(4%)、3位のアメリカと中国(ともに3%)を大きく引き離しました。
台湾の街並み
また、「最も親しくすべき国」でも日本が70%と過去最高となり、2位アメリカ(13%)、3位中国(11%)と、ここでも日本への信頼の高さが顕著に表れています。
日本の魅力:自然、文化、規律
日本に対する好印象の理由として、「自然が美しい」「豊かな伝統と文化を持つ」「きまりを守る」といった点が上位に挙がっています。これらのイメージは、台湾の人々が日本に対して抱く尊敬と親近感を象徴していると言えるでしょう。例えば、台湾の著名なフードライターである林美香氏(仮名)は、「日本の繊細な料理や四季折々の美しい風景は、台湾の人々にとって大きな魅力です。」と語っています。
中国への警戒感と日中関係への懸念
日台関係は良好と回答した人が77%に上る一方、「最も心配している案件」は「日本と中国の関係」(24%)でした。具体的には、「日本が中国に近くなると日台友好が損なわれ、台湾の利益を害するかもしれない」「日本は中国の圧力や自国の利益のために台湾を支持しない」といった懸念の声が聞かれました。国際情勢に詳しい評論家の王大明氏(仮名)は、「台湾の人々は、中国の軍事力増強と台湾への圧力に強い危機感を抱いています。そのため、日本が中国に接近することに不安を感じているのでしょう。」と分析しています。
この調査は、2023年12月末から2024年1月上旬にかけて実施されました。この時期は、中国が台湾周辺で軍事演習を繰り返すなど、圧力を強めていた時期と重なります。こうした状況が、台湾の人々の中国への警戒感をさらに高めたと考えられます。
台湾の未来と日台関係の行方
今回の世論調査は、台湾における根強い親日感情と、中国への警戒感を改めて示す結果となりました。今後、日台関係がどのように発展していくのか、そして台湾の未来がどうなるのか、引き続き注目していく必要があります。