韓国軍、戦車搭載型ドローン無力化装置を緊急開発へ:自爆ドローン脅威への対抗策

韓国軍は、戦車に搭載可能なドローン無力化装置「ジャマー(Jammer)」の迅速な開発に着手しました。ロシア・ウクライナ紛争で顕在化したドローン攻撃、特に自爆ドローンによる脅威への対策として、この技術開発が急務とされています。

ドローン脅威への対応強化:迅速モデル事業とは?

韓国防衛事業庁は、新たな技術を迅速に実用化するための「迅速モデル事業」として、この「知能型電磁気戦基盤ドローン対応体系」を選定しました。この事業は、2年以内に試作品を開発し、軍での運用可能性を検証することを目的としています。専門家による綿密な評価を経て、今回のプロジェクトが選定されました。

altalt

知能型ジャマー:全方位からの脅威を無力化

開発されるジャマーは、戦車に搭載され、あらゆる方向からのドローン攻撃を無力化します。一般的なドローンだけでなく、高速で垂直降下する自爆ドローンにも対応可能です。敵ドローンの遠隔制御信号を検知し、脅威と判断すると自動的にジャミングを実行。遠隔操作を不可能にし、航法信号をかく乱することで、効果的な防御を実現します。

開発計画と今後の展望

防衛事業庁は、5月中に事業者を選定し、来年中に開発に着手する予定です。約2年間の研究開発を経て試作品を製造し、2028年から軍への試験配備を目指しています。現在、韓国軍は特定地域におけるドローン防御システムを保有していますが、今回の開発により、個々の戦車が自律的にドローン攻撃に対抗できるようになると期待されています。防衛事業庁のハン・ギョンホ未来戦力事業本部長は、この技術が敵ドローンへの効果的な対応手段となり、国防科学技術の向上に貢献すると述べています。

北朝鮮のドローン開発:高まる脅威

北朝鮮は昨年、自爆ドローンを公開し、金正恩国務委員長は無人機の重要性を強調しました。大量生産の指示も出されており、韓国にとってドローン脅威は現実的なものとなっています。

専門家の見解

軍事アナリストのキム・テファン氏(仮名)は、「北朝鮮のドローン開発の進展は、韓国にとって無視できない脅威です。今回のジャマー開発は、韓国軍の防衛力強化に大きく貢献するでしょう」と述べています。 韓国は、このジャマー開発を通じて、進化する戦場環境における優位性を確保することを目指しています。