屏東県でピットブルが柴犬を襲撃、両者死亡 台湾で相次ぐピットブル問題

台湾南部、屏東県内埔郷で痛ましい事件が発生しました。民家で飼育されていたアメリカンピットブルテリア(ピットブル)が、近隣住民の柴犬に襲いかかり、両者とも死亡するという悲しい結末を迎えたのです。この事件は、台湾で相次ぐピットブルによるトラブルの一例として、改めて危険性を浮き彫りにしました。

散歩中の柴犬に突然の襲撃

被害に遭ったのは「宝宝」という名前の柴犬。飼い主の女性によると、夫と宝宝が散歩中、ピットブルが突然家から飛び出し、宝宝に襲いかかったとのこと。右背部に噛みつかれた宝宝は、懸命の救助も虚しく、翌朝息を引き取りました。女性は当時の状況を振り返り、「今でも怖さで体が震える」と語っています。

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ピットブルの飼い主の主張と法的責任

ピットブルの飼い主は、犬は鎖につながれていたものの、家の外に飛び出したと説明。宝宝の飼い主に対して賠償の意思を示す一方で、自身の犬も死亡したことに対し不満を訴えています。また、ピットブルは拾った犬で、品種については知らなかったと主張しています。しかし、台湾ではピットブルの新規飼育は禁止されており、以前から飼育していた場合は登録が必要です。屏東県政府農業処動物保護・保育科は、飼い主には動物保護法違反で高額な過料が科される可能性があると指摘しています。

台湾で頻発するピットブルによる事故

台湾では、ピットブルによる咬傷事故が後を絶ちません。先月にも台北市内で、ピットブルがオートバイの運転手に襲いかかり、怪我を負わせる事件が2件発生していました。専門家の中には、「ピットブルは闘犬として改良された犬種であり、潜在的な危険性を常に認識しておく必要がある」と警鐘を鳴らす声も上がっています。今回の事件も、ピットブルの飼育管理の徹底、そして法規制の遵守の重要性を改めて示すものとなりました。

専門家の見解

動物行動学の専門家、林先生(仮名)は、「ピットブルに限らず、どんな犬種でも適切な躾と管理が重要です。特に力の強い犬種は、飼い主の責任がより一層問われます」と述べています。また、「行政は、危険犬種の飼育に関する規制を強化し、違反者への罰則を厳格化する必要があるでしょう」と提言しています。

まとめ:ピットブル問題への対策強化を

今回の事件は、ピットブルによる事故の深刻さを改めて浮き彫りにしました。飼い主の責任はもちろんのこと、行政による規制強化、そして社会全体の意識改革が求められています。安全な社会を実現するためにも、ピットブル問題への対策を強化していく必要があると言えるでしょう。