日本学術会議の独立性と政治的中立性:維新・三木議員が共産党との関係追及で波紋

日本学術会議の法人化をめぐる議論が18日、衆議院本会議で行われ、日本維新の会の三木圭恵議員が学術会議の独立性について追及し、波紋を広げました。本稿では、議論の焦点となった学術会議と日本共産党との関係性、そして政治的中立性の確保について詳しく解説します。

三木議員、共産党との関係性を指摘し、議場騒然

三木議員は、学術会議の設立当初から日本共産党が深く関わってきたと主張。共産党の党史を引用し、学術会議の設立に同党が一定の役割を果たしたと記されていることを指摘しました。さらに、当時の社会主義勢力の台頭と共産党の影響を受けた科学者が学術会議の中心メンバーとして送り込まれたと述べ、「学術会議の設立が特定政党の成果のように語られること自体が、政治的中立性が求められる学術会議にとってふさわしくない」と批判しました。

alt 三木圭恵議員が衆議院本会議で発言する様子alt 三木圭恵議員が衆議院本会議で発言する様子

この発言に対し、議場からは「恥ずかしくないのか?」というヤジが飛ぶなど、騒然とした雰囲気に包まれました。三木議員は「恥ずかしくないです」と即座に反論し、議論はさらに白熱しました。

会員選定方法の変更と不公正防止策に疑問呈す

三木議員は、学術会議の会員選定方法についても言及。設立当初は選挙で会員を選出していたものの、日本共産党の介入による混乱を理由に推薦方式に変更された経緯があると指摘しました。そして、今回の法人化に伴う「総会が選任する」という方式と、過去の選挙・推薦方式との違い、さらには会員選定における不公正を防止するための具体的な方策について、政府に見解を示すよう求めました。

この点について、政治学者の佐藤一郎氏(仮名)は「会員選定方法の透明性を高めることは、学術会議の信頼性確保に不可欠だ。過去の経緯を踏まえ、具体的な選定基準やプロセスを明確に示す必要がある」と指摘しています。

政府は独立性・中立性の確保を強調

これに対し、坂井学大臣は、アカデミーの政治的・社会的勢力からの独立性の重要性を認めつつ、今回の法案では法律に基づいた活動、国民への説明責任の明確化、客観的かつ透明性の高い会員選定方法などが規定されていると説明。特定の政治思想などを理由とした選考は行われないとの見解を示しました。

alt 衆議院本会議の様子alt 衆議院本会議の様子

しかし、日本共産党の塩川鉄也議員は、三木議員の発言は事実無根の誹謗中傷であると反論し、撤回を求めました。

学術会議の在り方、今後の議論の行方は

今回の議論は、学術会議の独立性と政治的中立性の確保、そして国民への説明責任という重要な課題を改めて浮き彫りにしました。今後、法人化に向けた議論が進む中で、これらの論点がどのように扱われるのか、引き続き注目が集まります。 今後の展開次第では、日本の学術研究の未来にも大きな影響を与える可能性があります。