朝ドラといえば、国民的ドラマとして長く愛され、数々の社会現象を巻き起こしてきた番組です。しかし、近年では視聴率の低下が囁かれることも。中でも、橋本環奈さん主演の「おむすび」は、朝ドラ史上最低の視聴率を記録してしまいました。一体何が原因だったのでしょうか?今回は、その背景や業界関係者の声から、その理由を探っていきます。
低視聴率の要因:時代設定とマンネリ化
ある在京テレビ局のドラマプロデューサーA氏(50代男性)は、朝ドラの低視聴率の要因の一つとして、マンネリ化したイメージを指摘します。「朝ドラ=史実に基づいた女性の半生を描く時代もの」という固定観念が視聴者に根付いてしまい、現代劇を受け入れにくい土壌ができてしまっているとのこと。近年の「おかえりモネ」や「舞いあがれ!」といった現代劇も賛否両論で、特にメイン視聴者層である中高年層には響きにくかったようです。
橋本環奈
平成ギャル文化の描写不足
「おむすび」は平成を舞台にギャル文化を描いた作品でしたが、A氏はギャル文化の掘り下げが甘かった点を指摘します。ギャルのポジティブな面ばかりが強調され、彼女たちの本質や葛藤、社会との関わりなどが十分に描かれていなかったことが、視聴者の共感を得られなかった理由の一つではないかと分析しています。SNS上でも同様の意見が多く見られたようです。
緩やかな展開が裏目に?
脚本を担当したのは、「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」「パリピ孔明」「正直不動産」など、数々のヒット作を手掛けてきた根本ノンジ氏。A氏は、根本氏の持ち味である軽妙な会話劇は「おむすび」にも活かされていたものの、朝ドラ特有のテンポの速い展開とは相性が悪かったのではないかと推測しています。朝ドラ視聴者はスピーディーな物語展開に慣れているため、会話中心の緩やかな展開に物足りなさを感じた可能性があるとのこと。
著名な料理研究家B氏(仮名)も、「おむすび」のテーマである「食」を通して、現代社会の様々な問題や家族の温かさを描くことができたはずだと指摘しています。例えば、食の安全、食育、フードロスなど、現代社会が抱える食にまつわる問題を盛り込むことで、より深いテーマ性を持たせることができたかもしれません。
まとめ:新たな挑戦と課題
「おむすび」は、マンネリ化しがちな朝ドラに新たな風を吹き込もうとした意欲作だったと言えるでしょう。しかし、時代設定やギャル文化の描写、物語展開など、様々な要因が重なり、視聴率低迷という結果につながってしまったようです。今後の朝ドラ制作においては、これらの課題を踏まえ、更なる工夫と挑戦が求められるでしょう。