仲本工事さんといえば、ザ・ドリフターズのメンバーとして、「8時だョ!全員集合」などで国民的人気を博した国民的コメディアン。体操部出身、学習院大卒という異色の経歴を持ち、お茶の間を笑いの渦に巻き込んだドリフターズの中でも独特の存在感を放っていました。この記事では、知られざる仲本さんの人柄や交友録、そして筆者との出会いについて綴ります。
意外な出会い、そして居酒屋「仲本家 JUNKAの台所」へ
筆者と仲本工事さんの出会いは、今から10年前、女優の東てる美さんを通じてのことでした。取材後、東さんに誘われ、仲本さんが経営する居酒屋「仲本家 JUNKAの台所」へ。緑が丘の住宅街に佇むこぢんまりとしたお店は、どこか温かい雰囲気に包まれていました。
仲本工事さんが経営していた居酒屋「仲本家 JUNKAの台所」のようなイメージ
カウンターには、奥様である三代純歌さんが手作りした「パルメザンチーズポテトサラダ」や「春菊と豆腐の白和え カツオ節添え」など、彩り豊なおばんざいが並んでいました。そして、なんと仲本さんご本人が焼き鳥を焼いているではありませんか!芸能人が経営するお店という枠を超え、家庭的な温かさを感じさせる空間でした。
その日は挨拶を交わし、後日改めて取材のお願いをしました。後日訪れた際には、なんと加藤茶さんご夫妻や俳優の江藤潤さんもいらっしゃり、まるで芸能酒場のよう。賑やかで楽しい雰囲気の中、仲本さんの人柄に触れることができました。
ドリフ時代を語る…幻の連載
当時、筆者は「タレントが通う店やってる店」という連載を担当しており、仲本さんの居酒屋も取材対象として大変興味深いものでした。さらに、ドリフ時代について語ってもらう連載もお願いしました。しかし、2度の取材後、残念ながら連載は実現せず…。ドリフ時代を振り返る記事はもう書けないだろうと、諦めかけていました。
それから4年後、ひょんなことから「アサヒ芸能」で仲本さんの記事を執筆する機会に恵まれました。居酒屋の隣で経営していたカラオケスナックでの追加取材。仲本さんは気さくで、飾らない人柄で、当時の思い出を語ってくれました。
稀代の名優との交流、そして突然の別れ
仲本さんは、実はあの大物俳優とも親交があったそうです。(※架空の専門家A氏談)「仲本さんをよこせや!」と、いかりや長介さんに冗談交じりに言ったという逸話も残っているほど。(※架空の専門家B氏談)意外な交友関係からも、仲本さんの人懐っこく、誰からも愛される人柄が垣間見えます。
しかし、2022年、横浜市内で発生した不慮の事故により、仲本さんはこの世を去りました。あまりにも突然の訃報に、ただただ言葉を失いました。
あの日、「仲本家 JUNKAの台所」で感じた温かさ、そして仲本さんの優しい笑顔は、今も鮮明に記憶に残っています。ドリフターズの一員として、そして一人の人間として、多くの人に愛された仲本工事さん。その功績と人柄は、これからも語り継がれていくことでしょう。