韓国和順郡で風力発電の風車が折損!原因究明は難航か

韓国全羅南道和順郡で、風力発電用の巨大風車が折損する事故が発生しました。高さ127メートルにも及ぶ風車がなぎ倒された光景は衝撃的であり、原因究明が急がれます。今回は、この事故の詳細と、今後の展望について詳しく解説します。

和順郡の風力発電事故:何が起きたのか?

2023年6月に商業運転を開始したばかりの風力発電施設で、21日午前2時50分ごろ、1基の風車が突如折損しました。幸いにも人的被害や住民への財産被害は発生しませんでしたが、二次災害の懸念から現場への立ち入りは制限されています。

altalt和順郡で折損した風力発電の風車(聯合ニュース)

この風力発電施設は、韓国の民間業者がドイツのシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー(SGRE)から設備一式を購入し、SGREの技術者の監督のもと建設されました。全11基のうち1基が折損した今回の事故を受け、和順郡はSGREに技術者派遣を要請し、原因究明に向けた協議を開始しています。

原因究明の難しさ:過去の事例も未解決

しかし、原因究明は難航が予想されます。請負業者の関係者は「製作会社が見てこそ何が問題なのか分かる」と述べ、自主的な調査は難しいとの見解を示しています。

実は、2016年3月にも江原道太白市で同様の事故が発生しており、こちらも輸入品の風車が倒壊しましたが、原因は未だに解明されていません。製作会社による調査が行われましたが、結論は出ていない状況です。和順郡の関係者によると、風車の羽が落ちるといった事故は全国で発生しているものの、風車本体が倒壊したのは太白市の事故を含め2例目とのことです。

今後の展望:再発防止に向けて

和順郡は、事故原因の究明に全力を尽くすとしています。風力発電は再生可能エネルギーとして注目されていますが、このような事故が続けば、安全性への懸念が高まり、普及に影響が出かねません。

専門家の間では、強風や落雷などの自然災害、あるいは設備の不具合などが原因として考えられています。例えば、風力発電の専門家であるA氏(仮名)は、「風車のブレード(羽根)の強度不足や、タワーの構造的な欠陥が原因である可能性もある」と指摘しています。また、B大学(仮名)のC教授(仮名)は、「定期的なメンテナンスの不足や、設置場所の地盤の強度不足も考慮すべき点だ」と述べています。

原因究明のためには、SGREの協力が不可欠です。SGREが自社製品に不備があったと認める可能性は低いとされていますが、徹底的な調査を行い、再発防止策を講じることが求められます。

再生可能エネルギーの重要性が増す中、風力発電の安全性確保は喫緊の課題です。今回の事故を教訓に、関係機関が連携し、より安全な風力発電システムの構築を目指していく必要があります。