玉川徹氏、石破首相「給付金」発言巡り政治部記者を一喝…スタジオ騒然

テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が放送され、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏が同局政治部記者に対し厳しい言葉を投げかけ、スタジオに緊張が走る一幕があった。番組では、石破茂首相が参院選の公約として、物価高対策のために全ての国民に一律2万円を給付し、さらに子どもや低所得者には追加で2万円を上乗せする方針を表明したニュースを取り上げた。

「羽鳥慎一モーニングショー」出演者:玉川徹氏と政治部記者「羽鳥慎一モーニングショー」出演者:玉川徹氏と政治部記者

石破首相の「給付金」表明とその背景

この給付金表明は、過去の発言との整合性が問われることとなった。11日に行われた党首討論会において、国民民主党の玉木雄一郎代表が「税収の上振れ分を国民に還元するような財政状況にはないとの認識か」と質問した際、石破首相は「現在そのような財政状況にあるとは認識しておりません」と明確に否定していた。しかし、そのわずか2日後に給付実施を表明したことで、玉木代表は12日に自身のX(旧ツイッター)で「石破総理、やっぱり配るんですか」と首相の発言の矛盾点を厳しく指摘。「上振れした税収は与党の選挙対策のお金ではない。納税者のものだ。減税で戻すのが筋」と訴えた。

モーニングショーでの議論と玉川徹氏の指摘

番組に出演したテレビ朝日政治部記者は、玉木代表の指摘はもっともだとし、「私も気になったポイントの一つでした。あれ、否定するの?それだったら(給付は)できないじゃんというのが率直なところ」と自身の見解を述べた。司会の羽鳥慎一アナウンサーも、「またね、選挙のタイミングだった」と、都議会選挙公示日という時期的な要素を加えた。

これに対し、玉川氏は首相の発言の矛盾点を鋭く追及した。「2日前に『政府として検討したことはございません』と言っている。政府としてまったく検討していないことを2日後に発表できるわけないじゃないですか。いろいろ試算とかしなきゃいけないのに」。さらに、「玉木さんに聞かれた時に(石破首相は)『還元できるような状況じゃない』と言った。で、2日後に還元すると言っている。これは言葉を信用できなくなる」と、国民が政治家の言葉を信じられなくなるとの懸念を示した。

政治部記者の弁明と玉川氏の一喝

政治部記者は、玉川氏の指摘に理解を示しつつ、「玉川さんのおっしゃる通りという部分と政府の政策は決まるまで言えないという部分がある。『考えている』というとバーッと話しが広がってしまう」と、政治的な事情を説明しようとした。

しかし、玉川氏は記者の言葉を遮り、メディアの役割について熱く語った。「政治部(記者)たちがそれを認めちゃダメなんだよ。政局的にはそういうものなんだとあなたたちが言っちゃったら、信用できないということをメディアが認めることになっちゃうじゃないですか」。政治部記者が「それは僕も百も承知で…」と応じようとすると、玉川氏はさらに厳しい口調で「百も承知ならそんなこと言わない方がいいと思うよ!」と一喝した。この瞬間、スタジオは静まりかえり、緊迫した空気に包まれた。

この一幕は、政治家の発言の信頼性、選挙を意識した政策発表の是非、そしてそれを報じるメディア、特に政治部記者の姿勢について、改めて考えさせられるものとなった。玉川氏の厳しい指摘は、単なる番組内のやり取りを超え、報道機関が権力とどう向き合うべきかという根源的な問いを投げかけたと言えるだろう。

参考資料:

  • 報知新聞社 (元の記事提供元として)