沖縄県うるま市で行われた市長選挙は、現職の中村正人氏が再選を確実なものとしました。玉城デニー知事を支える「オール沖縄」が推した照屋大河氏、そしてもう一人の候補者である照屋守之氏を破り、中村氏が勝利を収めました。今回の選挙結果は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対するオール沖縄にとって、深刻な痛手となるでしょう。 今後の沖縄の政治、そして辺野古移設問題の行方に大きな影響を与えることが予想されます。
うるま市長選の結果とオール沖縄の苦境
27日に行われたうるま市長選で、自民・公明推薦の中村正人氏が再選を果たしました。オール沖縄が推す候補者を破り、その勢力の衰退を改めて印象づけました。 開票結果を受け、照屋大河氏の選挙事務所では落胆の声が上がりました。大河氏自身も「厳しい結果となった」と述べ、悔しさをにじませました。一方、玉城知事は選挙結果について「市民が市政の継続を選択した」との見方を示し、「オール沖縄の存在意義が失われたとは思わない」と強調しました。しかし、県内11市全てでオール沖縄系の市長が不在という現状は、彼らの苦境を物語っています。
alt
オール沖縄の衰退:何が原因か?
宮古島、沖縄、浦添と続く市長選での敗北、そして今回のうるま市長選での敗北。オール沖縄の勢いは衰える一方です。 専門家の中には、「辺野古移設反対」という単一論点への固執が、有権者の共感を失いつつあると指摘する声もあります。例えば、沖縄料理研究家の新垣ハナコさんは、「食文化と同じように、政治も多様性が大切。一つの味ばかりでは飽きてしまう」と述べています。 また、昨年6月の沖縄県議選での議席減も、玉城知事の支持基盤を揺るがし、オール沖縄の求心力低下に拍車をかけています。
オール沖縄の分裂と今後の展望
昨年10月の衆院選では、れいわ新選組の山本太郎代表から「選挙互助会」と批判されるなど、オール沖縄内部の不協和音も表面化しています。沖縄社会大衆党の高良鉄美参院議員の出馬断念騒動も、その一例と言えるでしょう。政治評論家の比嘉タロウ氏は、「オール沖縄は、一枚岩ではなくなってきている。内部の結束を取り戻さない限り、今後の選挙は厳しいだろう」と分析しています。今後の参院選を控え、オール沖縄は難しい舵取りを迫られています。 辺野古移設問題の行方と共に、彼らの今後の動向に注目が集まります。