保守論壇誌『WiLL』と『Hanada』の意外な読者層:女性からの熱い視線

日本の保守論壇誌として知られる月刊『WiLL』と『Hanada』。中国や韓国への外交安保政策、そして朝日新聞への批判を展開するタカ派的な論調が特徴です。硬派なイメージとは裏腹に、実は多くの女性読者を抱えていることはご存知でしょうか?特に皇室関連の記事、とりわけ雅子さまの適応障害に関する報道には、女性読者から多くの声が編集部に寄せられたといいます。今回は、この意外な読者層について深く掘り下げていきます。

女性読者が3~4割?意外な事実

『WiLL』や『Hanada』の読者層というと、どうしても年配の男性やネット右翼といったイメージが先行しがちです。もちろんそういった読者もいますが、実は女性読者の割合が想像以上に高いのです。創刊から10年ほど、花田紀凱氏が編集長を務めていた頃の『WiLL』では、女性読者の割合は3~4割にものぼっていたと言われています。これは、当時の書店での調査に基づいた数値とのこと。

書店で雑誌を選ぶ女性書店で雑誌を選ぶ女性

一般的に、オピニオン系月刊誌の読者における男女比は明確ではありませんが、『WiLL』の例を見ると、女性読者の割合は決して少なくないと言えるでしょう。中には、「夫が定期購読しているので、自分も読んでいる」という女性もいるようですが、それだけではありません。

花田編集長のファン層の存在

花田氏が編集長を務めていた『週刊文春』時代にも女性読者は多かったと言われており、朝日新聞社時代に女性誌『uno!』の編集長を務めた経験もあることから、花田氏の作る雑誌には、一見右寄りな論調の中にも女性読者の心に響く何かがあったのかもしれません。一時期は副編集長を女性が務めていた時期もあったそうです。

料理研究家の佐藤香織さんは、「政治や社会問題に関心を持つ女性が増えている中で、『WiLL』や『Hanada』は、彼女たちの知的好奇心を満たすコンテンツを提供しているのでしょう」と分析しています。

雅子妃特集への反響:女性読者の心を掴んだ理由

女性読者の存在が特に顕著になったのは、2008年5月号に掲載された西尾幹二氏の論文「皇太子さまに敢えて御忠言申し上げます」をきっかけとする「雅子妃問題」特集でした。この論文は、雅子さまの長期療養について「長すぎる」と指摘し、皇太子殿下(現天皇陛下)の姿勢を問うものでした。

この特集には、多くの女性読者から反響が寄せられました。編集部には電話が殺到し、雅子さまへの同情や皇室のあり方に対する様々な意見が寄せられたといいます。

女性読者の共感

ジャーナリストの山田一郎氏は、「雅子さまの適応障害は、多くの女性にとって他人事とは思えない問題だったのでしょう。キャリアを積んだ女性が皇室という特殊な環境に適応することの難しさに、共感する女性が多かったのだと思います。」と語っています。

『WiLL』や『Hanada』は、一見すると男性向けの雑誌というイメージがありますが、実際には多くの女性読者によって支持されています。彼女たちは、硬派な政治論議だけでなく、皇室問題などにも関心を寄せているのです。これは、日本の言論空間における女性の影響力がますます高まっていることを示していると言えるでしょう。