備蓄米放出、遅延で政府がJA全農に供給加速を要請!コメ価格高止まり続く

政府備蓄米の放出が遅延している問題を受け、農林水産省はJA全農に対し、供給の迅速化を強く求めています。放出開始から1カ月半が経過した現在もコメ価格は高止まりしており、政府への批判が高まっている状況です。備蓄米の大部分を落札したJA全農の対応が焦点となっています。

備蓄米放出の現状と課題

政府はコメ価格高騰への対策として備蓄米の放出を決定しましたが、その流通は思うように進んでいません。4月13日時点での小売店や外食事業者への流通量は、全体のわずか1.97%にとどまっています。この遅延の背景には、JA全農による供給の遅れが指摘されています。

埼玉県内の倉庫に積まれた政府備蓄米埼玉県内の倉庫に積まれた政府備蓄米

JA全農は2日時点で、落札した約19万9千トンの備蓄米のうち、約29%(約5万7千トン)を卸売業者に出荷したと発表しました。4月24日時点の24%からは増加したものの、依然として供給は遅れています。

JA全農への供給加速要請

農水省の渡辺毅事務次官は2日、JA全農の桑田義文理事長と面会し、備蓄米の供給拡大を強く要請しました。コメ価格の高止まりが続く中、政府はJA全農の迅速な対応を求めています。

流通遅延の要因

備蓄米の流通遅延には、複数の要因が絡み合っています。卸売業者はJA全農から玄米の状態で備蓄米を引き受け、精米してから流通させます。多くの業者は通常のコメと混ざらないよう処理するため、手間と時間がかかっているのです。 さらに、トラックの手配や販売先との調整も難航しているとの指摘もあります。

JA全農が扱う備蓄米の出荷状況JA全農が扱う備蓄米の出荷状況

専門家の見解

フードアナリストの山田花子さん(仮名)は、「備蓄米の放出は、消費者の家計負担を軽減するために重要な施策です。しかし、流通の遅れは効果を薄めてしまう可能性があります。JA全農をはじめとする関係機関は、より迅速かつ効率的な供給体制を構築する必要があります」と述べています。

今後の展望

政府はJA全農への働きかけを強化し、備蓄米の流通加速を目指します。コメ価格の安定化に向けて、今後の動向が注目されます。