春の園遊会は、華やかな着物姿の女性皇族方が注目を集める場でもあります。2025年4月22日に行われた園遊会では、雅子皇后をはじめ、多くの女性皇族が美しい着物姿で招待客をもてなしました。この記事では、それぞれの着物に込められた意味やこだわり、そして着物姿から垣間見えるお人柄について探っていきます。
藤の花を纏う雅子皇后と常陸宮妃華子さま
春の訪れを象徴する藤の花。雅子皇后と常陸宮妃華子さまは、それぞれ藤の花をモチーフにした着物をお召しでした。
雅子皇后の着物は、淡く上品な藤色の地に、繊細な藤の花が刺繍されています。皇后の穏やかで優しいお人柄を表しているかのようです。
一方、華子さまは霞色の訪問着に、薄紫や淡いピンクの藤の花が描かれた着物を着用。華子さまたっての希望で染め上げられたというこの着物は、春の風に揺れる藤の花の優美さを表現しています。墨黒色の帯との組み合わせも上品で、長年着物に精通されている華子さまのこだわりが感じられます。
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伝統と個性を織り交ぜた信子さま、彬子さま、承子さま、瑤子さまの着物
三笠宮寛仁親王妃信子さまは、伸びやかな藤の枝が描かれた訪問着に、黒地に金の鏡裏文が織り込まれた帯を合わせ、華やかでありながら落ち着いた雰囲気を醸し出していました。「京ごふく二十八」の原巨樹氏によると、鏡裏文は魔除けの意味を持つ伝統的な柄とのこと。朱色の差し色や玉飾りのような小物使いにも、信子さまのセンスが光ります。
招待客との交流も積極的で、長年の親交を持つバレエダンサーの森下洋子さんと談笑する姿も見られました。
彬子さま、承子さま、瑤子さまは、宮家に伝わる着物をお召しになる機会も多いそうです。彬子さまは、ご自身の体型に合った着こなしを研究されていることでも知られています。「和樂web」のエッセイでは、なで肩であることを考慮した着物の選び方について触れられており、着物への深い造詣が伺えます。SNSでも、彬子さまや承子さまの着物姿に称賛の声が多く寄せられています。
女性皇族の着物から見えるもの
それぞれの個性やこだわりが反映された着物姿は、まさに日本の伝統美を体現するかのよう。女性皇族方の着物姿は、単なるファッションではなく、日本文化への深い理解と敬意、そして国民への温かい思いが込められていると言えるでしょう。
伝統を守りながらも、時代に合わせて変化していく皇室の姿。春の園遊会での女性皇族の着物姿は、そんな皇室の未来を明るく照らしているかのようでした。