菅義偉官房長官は21日の記者会見で、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備をめぐり、住宅地との距離を考慮する方針を明らかにした。秋田県の佐竹敬久知事に既に伝えた。配備先として「適地」とされる陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)が住宅密集地に近いことも踏まえ「ゼロベースで検討していく」と強調した。
菅氏は20日に佐竹氏と首相官邸で面会し「再調査では住宅地との距離も考慮して評価するよう、防衛省に指示した」と伝えたという。新屋演習場について、周辺住民から電磁波の悪影響などを懸念する声が上がっている。
政府は5月、新屋演習場を配備の適地とする調査結果を公表した。しかし、周辺の地形に関する調査ミスが発覚したほか、住民説明会で職員が居眠りをし、地元が強く反発。防衛省は再調査を始めており、終了は来年春以降になる見通しだ。