【ソウル=桜井紀雄】韓国大統領府は21日、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開き、韓国が8月に破棄を決めて今月23日午前0時に失効が迫る日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)などをめぐって協議した。会議後、大統領府は「韓日間の懸案解決に向けて政府の外交的努力を検討し、主要関係国と緊密な協議を続けていくことにした」と発表。今後想定される「多様な状況に備えた対策についても論議した」と明らかにした。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、日本に先に行動を示すよう迫る立場に変化はなく、現状のままでは失効する公算が大きい。協定を日米韓安保協力の象徴とみるトランプ米政権は、文政権に協定維持を繰り返し求めており、日本との協議の継続を強調することで、失効間際まで外交的な努力を尽くす姿勢を米側にアピールする狙いもあるとみられる。