ローマ教皇を選ぶコンクラーベ、投票資格がある日本人枢機卿ってどんな人? 「田舎の司祭になりたかった」被爆2世、大阪の前田万葉さん


【写真】「教皇を冒涜している」との批判も… 「AIが作成したんだろう」「カトリック信者らは画像を気に入っている」と、どこ吹く風 「勘弁してくれ。誰かが面白半分にやっただけだ」

 そのうちの一人、大阪高松大司教の前田万葉さん(76)に、2018年から務めている枢機卿としての仕事やコンクラーベの手順など、謎の多いバチカンの世界について聞いてみた。(共同通信=西村曜)
 ▽日曜夜、寝耳に水のニュース「枢機卿に選ばれた」

 枢機卿はなりたくてなれるわけではない。他者から推薦され、教皇庁による調査がいつの間にか行われる。それをクリアした人の中から、教皇自らが選ぶ。この間、本人には候補に挙がっていることも伝えられない。

 前田さんの場合、発表まで教皇庁からの連絡もなく、インターネットのニュースで知った。

 前田さんは笑いながら振り返る。

 「知ったのは日曜の夜だった。当時放映していたNHKの大河ドラマ『西郷どん』が好きでね、見終わった頃に知り合いの司教から電話があった。ネットニュースを見たら(私が)枢機卿になったと出ていて驚いた」
 その後、バチカンのサンピエトロ大聖堂で教皇による叙任式と呼ばれる任命式に臨んだ。枢機卿のシンボルである赤い帽子を教皇にかぶせてもらい、金色の指輪をもらう。指輪は枢機卿だけが着ける専用のものだ。

 

 ▽枢機卿の仕事とは。会議は同時通訳、オンラインも

 前田さんは年に何度かバチカンに行く。他の枢機卿の任命式に出席したり、日本から巡礼団を連れて行ったりするためだ。それらの機会に教皇に面会することもあるといい、あるときは面会日が教皇フランシスコの誕生日と重なったことから、バースデーケーキをプレゼントして日本から一緒に行った人たちと祝ったこともあった。

 バチカンの広報省委員も務めているため、関連の会議や、枢機卿全体で行う枢機卿会議にも出る。現在の枢機卿会議はラテン語を使わないという。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語の同時通訳がつき、他の国際会議と変わらない。



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