プーチン大統領が約3年ぶりの「直接交渉」ウクライナに提案「30日間停戦」は事実上拒否か…その狙いは


■プーチン氏の新たな提案は、ウクライナとの「直接交渉」

――プーチン大統領「我々は2022年に中断したウクライナとの直接交渉の再開を提案する。そこには、いかなる前提条件もつけないことを強調する」

直接交渉の場として提案したのは、トルコのイスタンブール。今月15日と、具体的な日付にも言及した。侵攻開始直後の2022年3月、両国はここで直接交渉を実施していた。

■「30日間の停戦」は事実上拒否か

回答期限が1日しかない中でプーチン氏は、すぐに「直接交渉」を逆提案。「30日間の停戦」には明確に回答せず、事実上、受け入れを拒否した形だ。

――プーチン大統領「我々はウクライナとの真剣な交渉に取り組む。その目的は、紛争の根本原因を排除し、歴史的観点から長期的かつ永続的な平和を確立することだ。その交渉中に、新たな停戦に合意できる可能性を排除しない」

イスタンブールにおけるウクライナとの直接交渉により、新たな停戦合意が可能だと述べた。その一方で、「紛争の根本原因の排除」が必要だとする従来の主張も繰り返した。ウクライナの中立化(NATO非加盟)、非軍事化、非ナチ化など、侵攻当初から掲げる条件で譲歩する姿勢は見られないままだ。

■不発に終わった、3度の“停戦”

「エネルギー施設への30日間の攻撃停止」、キリスト教のイースター(復活祭)に合わせた「30時間停戦」、そして今月9日の戦勝記念日に合わせた「72時間停戦」。プーチン大統領は11日の会見で、これまでの停戦をめぐり、次のように言及した。

――プーチン大統領「ロシアは、これまでも停戦に向けた取り組みを繰り返してきたが、ウクライナに何度も妨害されてきた。ウクライナはエネルギー施設への攻撃停止に、約130回にわたって明白に違反した」「ロシアが開始したイースター停戦も守られず、ウクライナ軍の停戦違反は、およそ5000回に及んだ」「戦勝記念日の停戦を宣言した日に、ウクライナ軍によるロシア国境への攻撃が5回、行われた。ウクライナは停戦を拒否しただけでなく、モスクワの祝賀行事に集まった各国の指導者たちを威嚇した」

停戦に前向きなのはロシアで、ウクライナが違反を繰り返しているという主張を展開。しかし、ウクライナ側もロシア軍の攻撃があったと主張していて、お互いが相手の攻撃を非難し合っているのが実情だ。



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