社内で暴力行為とされる動画が拡散している北海道の建設会社「花井組」について、札幌市は12日、映像が同社のものと確認されたとして、市が認証している計5つの制度について、同社から辞退の申し出を受け、すべて取り消したことを明らかにした。
札幌市は広報のX(旧ツイッター)アカウントで「本市の複数の事業で企業認証を受けております『株式会社花井組』に関し、SNS上に投稿された映像が同社のものであることの確認がとれました」と説明。「このたび、同社から、札幌市が認証している計5つの制度について辞退の申し出があったため、これら全ての認証・登録を取り消しました」とし、以下の5つの取り消しを公表した。
・札幌SDGs企業登録制度
・札幌市ワーク・ライフ・バランスplus企業認証制度
・さっぽろまちづくりスマイル企業認定制度
・さっぽろエコメンバー登録制度
・札幌市消防団協力事業所表示制度
花井組をめぐっては、事案の発覚した直後の今月8日、Bリーグのレバンガ北海道が暴力行為を確認したとして、チームのサポートシップパートナー契約を解除したことを発表している。札幌市も同日、事実確認中であることを報告するとともに、確認が取れた場合は企業認証を取り消す手続きを進めることを明らかにしていた。
拡散された動画では、会社幹部とみられる人物が、事務所の一室で、部下と見られる男性を平手打ちしたり、馬乗りになって殴ったり蹴ったりしていた。被害を受けている男性は号泣して釈明したが、幹部と見られる男性は、クビをつかんで起き上がらせ問い詰めたりした。周囲にいる2人の男女も暴行を制止していなかった。
花井組の公式サイトは現在、つながらない状況が続いている。当初は同サイトに1939年創業で、現在の七戸義昭社長は3代目であることが記されていた他、札幌市からワーク・ライフ・バランスや女性の活躍実現への取り組みを推進したことを評価されたとして「札幌市ワーク・ライフ・バランスplus企業認証書」も掲示。市の建設局、下水道河川局、都市局、水道局などの受注を請け負っていることも表記されていた。
またこの件では、愛知・大府市に本社がある総合建設会社「花井組」が公式サイトやSNSで、北海道の花井組とは一切の関係がないことを説明し、問い合わせなどを控えるよう告知している。