【05月16日 KOREA WAVE】「韓国が嫌いなわけではない。でも、日本にもいい旅行先はたくさんあるし、わざわざ行く理由は見当たらない」
大阪市内で12日、取材に応じた男性(38)は韓国旅行を避ける理由をこう語った。
特に30代以上の男性層にとっては、韓国に魅力的な観光コンテンツが少ない。費用面でも中国・台湾や東南アジアと大差がないため、積極的に訪れる理由が見出せないという。周囲でも20〜30代の女性を除いて韓国旅行を検討している人はほとんどいないとの声も聞かれた。
MONEYTODAYが大阪・京都で5月11〜12日、日本人22人にインタビューすると、77%にあたる17人が「高い費用」「乏しいコンテンツ」「画一的な体験」といった理由から、韓国旅行に興味がないと回答。30代以上の男性層ほど韓国旅行に消極的な傾向が見られる。若年層や女性は比較的好意的だったが、韓国を一度訪れた経験がある4人も「再訪予定はない」と答えた。
これは、韓国旅行に対する日本人の一般的な認識を反映している。2023年には韓国を訪れた日本人観光客が232万人、2024年は322万人に増えたが、同期間に日本を訪れた韓国人観光客が800万人を超えることを踏まえると、日韓間の観光交流には大きなギャップがある。
韓国の観光最大の武器であるK-POPや韓流ドラマは、20〜30代女性を中心に人気を集めるが、40代以上の男性や家族層にとって魅力的なコンテンツは乏しい。再訪を促す力にも欠けており、日本人観光客のうち4回以上訪韓した人の割合は47.8%と、全体の外国人観光客よりは高いが、それでも半数に満たない。
また、費用対効果が悪いという指摘も多い。航空券は比較的安いが、宿泊費や現地の交通費、食費などは日本と比べて高いケースもある。昨年2回訪韓したという日本人は「トッポッキ1皿が1万ウォン(約1044円)、生ビールが8000ウォン(約835円)、タクシー代は7万ウォン(約7308円)もした。親切な人もいたが、ボッタクリに遭ったという不快感が残っている」と語った。
実際、世界最大の物価データベース「NUMBEO」によると、ソウルの生活費は東京より約19.4%高く、食料品も最大2倍の価格差があるという。高級レストランの外食費は、ソウルが7万ウォン(約7308円)、東京が約6万1700ウォン(約6447円)と1万ウォン以上の差がある。
日本の観光地は「大阪=グルメ」「京都=伝統文化」といった明確な地域イメージがあるが、韓国は「どこへ行っても同じ」と思われがちだ。大阪のある大学教授は「韓国は韓流好きの若者に訴求する要素は多いが、それ以外の層に向けた観光資源の訴求力が弱い」と指摘した。
2023年の韓国観光公社による調査では、今後3年以内に韓国を訪れる意向のある日本人は全体の48.6%にとどまり、アジア地域限定でも「最優先で韓国に行きたい」と答えたのは28.9%に過ぎなかった。
今後は、画一的な「K-カルチャー」偏重から脱し、日本人観光客の関心に合った「地域別特化型コンテンツ」の強化が求められている。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
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