茂木敏充外相は23日午後、20カ国・地域(G20)外相会議出席のため来日した韓国の康京和(カンギョンファ)外相と名古屋市内で会談した。韓国が破棄決定を凍結した日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐって意見交換する。ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮への対応についても緊密な連携を確認するとみられる。
茂木氏は韓国側がGSOMIAの維持と引き換えに求めている対韓輸出管理厳格化の見直しについては「別次元の問題」として、見直す考えがないことを改めて表明するとみられる。
韓国側は、日韓関係悪化の根本的な原因となっているいわゆる徴用工問題については有効な解決策を示しておらず、茂木氏が早期の対応を重ねて求める見通しだ。
日韓両政府は、12月下旬に中国四川省の成都で開かれる日中韓首脳会談に合わせ、安倍晋三首相と文在寅(ムンジェイン)大統領の会談を行う方向で調整している。ただ、日本政府高官は「韓国側が(徴用工問題で)どのように対応するかで決まる」とし、韓国側が徴用工判決で生じた国際法違反状態の有効な解決策を提示できるかを見極める考えを示している。