特養ホームの被害、国が直接把握 経済対策で新システムを構築






 政府が12月上旬にもまとめる経済対策の一環として、社会福祉施設の被災情報を国が直接把握し、迅速に対応できるようにする新システムを構築することが23日、分かった。全国に約7900施設ある介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などが対象となる。経済対策にはこのほか、第5世代(5G)移動通信システムの次の世代にあたる「ポスト5G」の技術開発促進に向けた基金創設などを盛り込む。

 必要な経費は年内に決める令和元年度補正予算案、2年度当初予算案で計上する。低金利の環境をいかし、インフラ整備には財政投融資も活用する。

 社会福祉施設向け新システムの対象は高齢者、障害者、子供向けの施設。これまで台風などで施設に被害が出た場合、都道府県、政令指定都市といった自治体の職員が電話や巡回などで情報を集め、その後に厚生労働省に連絡しており、国が被害状況をつかむまで時間がかかっていた。

 ただ、今秋の台風15、19号のような大規模災害では迅速な対応が不可欠。このため新たなシステムを構築し、施設職員らがスマートフォンやパソコンを使って被害状況や支援が必要であることを入力すれば、厚労省がすぐに情報をつかめる体制を整える。

 国は現在、介護施設の住所やサービス内容、運営状況などをインターネットを通じて見ることができる「介護サービス情報公表システム」などを運営している。新たなシステムはこれらを改修して作る。

 経済対策の災害分野ではこのほか河川や堤防の再整備などを進める。成長分野では、民間企業による「ポスト5G」の技術開発を支援する基金を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に作る。金額は2200億円規模となる方向だ。



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