コメ発言が消費者逆なで「常識を疑う」「米価安定を」 江藤農水相に流通・生産現場も苦言


「自宅にコメが実際に余っているのかもしれないけれど、苦しんでいる人の神経を逆なでする発言だ」。東京都世田谷区の自営業、池谷響さん(24)はこう批判した。

板橋区に住む70代の主婦も「物価高に苦しんでいる人が多いのに、農水相の常識を疑う」とあきれ顔で、「それほどコメが余っているなら、子供食堂など困っている施設や団体に寄付してはどうか」と話した。

「自分の発言の重みを深く考えなかったのではないか。大問題だ」と憤るのは、東京都渋谷区でコメを販売する「小池精米店」の店主、小池理雄さん(53)。

備蓄米の流通を円滑化させるため、精米される前の玄米のままで流通させる案について、江藤氏は価格の引き下げに「効果は期待できる」とも発言。小池さんは「都会に精米機なんてそうそうない」と地域性に対する配慮のなさにも不快感を示し、「精米には技術も必要だ。あまりコメのことを知らない人なのかな」と不信感を示した。

備蓄米の放出後もコメ価格の高騰に歯止めがかからないことには、投機による売り渋りや転売目的の「転売ヤー」の存在などさまざまな理由が指摘されている。

生産者にもコメ離れの加速に対する不安が高まっている。徳島県のコメ農家の男性(65)は「早く適正価格に戻るように手を打って、供給の安定化を図ってもらいたい。消費者がパン食に切り替え、コメを食べる習慣が薄れてしまわないか心配だ。大臣は失言している場合ではない」と話した。(宮崎秀太、市野沢光)



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