余程、腹に据えかねるものがあったのだろう。5月12日、中居正広氏(52)が突如、反撃を開始した。現在、フジテレビが制作中の検証番組にも影響が出そうである。もっとも、検証番組の取材は順調に進んでいない。何しろ、あの“有名キャスター”も足を引っ張っているらしく……。
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幹部クラスも取材に
フジの清水賢治社長(64)は、2月27日の記者会見で検証番組の制作を検討している旨を明かした。
「以降、報道局に所属する社員を中心にチームが組まれました。現在、中居の女性トラブルに端を発した一連の問題を、幅広く取り上げるべく動いています。すでに何人もの幹部クラスが取材に応じたようです。フジの“首領(ドン)”として君臨した元取締役相談役の日枝久(ひえだひさし)さん(87)が、どのように人事権を掌握していたのかという証言も得られたと聞きました」(フジ社員)
もっとも、まだまだ“重要なピース”が埋まっていないという。
「3月末に公表された第三者委員会の調査報告書を踏まえて、処分が下されるであろう社員たちへの取材ができていないそうです。人事局が“取材は処分が決まるまで待ってくれ”と要請しているからだといいます。当初は4月末に放送を予定していましたが、いまだ日程が決まらぬままです」(同)
さらに……、
「6月に開催される株主総会の前と後、どちらで放送するべきかという議論が行われています。報道局は早く取材を進め、6月1日までには放送したいと考えている。しかし、清水社長や編成総局からすれば、物議を醸すかもしれない番組が株主総会の前に放送される事態は避けたい。“物言う株主”に突っ込まれる余地を与えてしまうことを危惧しているのです」(同)
「説明責任があることを分かっていない」
実をいうと、「中居問題」に直接関与していた当時の編成制作局長や編成部長は、調査報告書の内容の一部に納得していないという。
「それでも彼らは処分後、取材に応じる意向を示しているようです。制作サイドは、第三者委員会の見解と対立する言い分もオンエアに乗せなくてはいけません。さじ加減が難しい編集になるでしょうね」(前出のフジ社員)
ところが、と別のフジ社員はあきれて言うのだ。
「第三者委員会でセクハラとパワハラが認定された、元取締役で政治キャスター兼記者の反町理さん(61)は検証番組の取材を拒否しているそうなんです。日頃はキャスターとして、政治家に舌鋒鋭く突っ込んでいたのに、自らの不祥事にはだんまりを決め込むなんて、ホントがっかりです。記者なのに、説明責任があることを分かっていないのでしょうか」
そこで、反町氏の自宅を訪ねてインターホンを鳴らしてみたが、やはり、
「お答えすることはありません」
と、言うのみである。
そんな折、中居氏が代理人弁護士を通して、第三者委員会から“性暴力”に及んだと認定されたことについて反論したのだ。
冒頭のフジ社員によれば、
「弁護士が中居から話を聞いた限りでは“一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった”といいます。検証番組チームは、これまで中居や被害女性へ直接は接触できていません。しかし、今回の動きで今後、中居に話を聞ける可能性も出てきました。もしそうなったら、被害女性にも絶対取材が必要になるでしょうね」
検証番組の放送は、いつになるのやら。
「週刊新潮」2025年5月22日号 掲載
新潮社