ノルウェーで当直航海士の居眠りで1万トン級コンテナ船が座礁し、海岸にある住宅の庭に乗り上げる事故が発生した。
CNNとノルウェー国営NRKによると22日午前5時ごろ、トロンヘイム地域の海岸の住宅に住むヨースタイン・ヨルゲンセンさんは睡眠中に突然聞こえてきた異例に大きなエンジン音で眠りから覚めた。
家の近所の海を船が通過するのはよくあることだったが、特にエンジンの音が大きく聞こえたのだ。ヨルゲンセンさんは「窓の外を見たら船が陸地に向かっていた。スピードが速く航路を変更する気配は見られなかった」と目の前で繰り広げられた信じられない光景をNRKに説明した。
ヨルゲンセンさんは「外に出て大声で危険を知らせようと試みたが何の反応もなかった。現実ではないように感じられた。こんなことが起きるとは考えたこともなかった」と伝えた。
午前5時ごろに家主のヨハン・ヘルベルグさんは、隣人が乱打する玄関チャイムの音で目が覚めて窓の外を見た。彼の目に映ったのは驚くべきことに巨大な船舶の船首だった。窓のすぐ前に巨大な船首が突っ込んできていた。
ヘルベルグさんがあわてて外に飛び出し確認してみたところ、コンテナ船は彼の自宅の庭に乗り上げていた。ヘルベルグさんは「船があと5メートル右側に行ったならば家にぶつかるところだった」と緊張の瞬間を振り返った。幸い大きな被害はなく、温水供給が途絶え暖房にだけ問題が生じた。彼は胸をなで下ろしながら「怖いというよりはむしろ笑いが出た」と話した。
ヘルベルグさん宅の庭を襲った船は長さ135メートルの1万1000トン級コンテナ船「NCLサルテン」だ。
現地警察と海岸管理庁の調査によるとこの船は約16ノット(時速約30キロメートル)の速度で航海して午前5時32分ごと陸地にぶつかり座礁した。
事故は当時当直だった30代のウクライナ出身2等航海士が1人で勤務中に眠ってしまったためとみられる。警察はこの航海士を船舶運航中不注意容疑で立件し正確な経緯を調査中だ。
米ワシントン・ポストは、船が座礁して土砂崩れが発生し、ノルウェー海岸管理庁がこの一帯が安全なのか調査を行っていると伝えた。