千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)の虐待死事件をめぐり、県柏児童相談所などの対応を調査してきた県検証委員会は25日、森田健作知事に報告書を提出した。報告書は、平成29年11月に心愛さんが小学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と訴え、児相が心愛さんを一時保護したが、同年12月に祖父母宅での生活を条件に解除したことを「不適切」と非難。一連の経過を「ミスがミスを呼び、漫然と推移した末に痛ましい結果を招いた」と強く批判した。
報告書は、一時保護中に心愛さんが面談した医師に父親の勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=から突然ズボンを下ろされたことや、口と鼻を手で押さえられたことなどを告白した点に注目。医師が心的外傷後ストレス障害(PTSD)の所見を出して、家族との同居は困難と指摘したにもかかわらず、児相が一時保護を解除したことを問題視した。
また、30年2月の家庭訪問で父親の勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=が示した「お父さんに叩かれたのはうそです」という心愛さんが書いたとする手紙についても言及。同年3月の面談で心愛さんが「書かされた」といっていることを「心理的虐待ととらえるべき」と指摘した。その上で、再度の一時保護の検討など「安全確保の具体策を検討すべきだった」と非難した。