【05月25日 KOREA WAVE】北朝鮮が5000トン級の駆逐艦を進水させる際に発生した事故について、原因の一つとされる「スリップウェイ(Slipway)方式」が、韓国ではすでに2000年代以降ほぼ使用されなくなっていることが分かった。この方式は構造上、事故リスクが高く、小型船舶に適した旧式技術であり、大型艦艇には不向きだと専門家は指摘している。
北朝鮮・清津(チョンジン)造船所で今月21日に開かれた進水式で、5000トン級の駆逐艦が横倒しになる事故が発生した。
事故は、スリップウェイ方式の中でも「側面進水」と呼ばれる手法の過程で起きたとみられている。スリップウェイ方式とは、傾斜した台座の上から重力を利用して船体を海へ滑らせて進水させる伝統的な方法で、側面進水は船体の横から海へ進める形式だ。
韓国の大手造船会社では、2000年代以降、艦艇の大型化と技術の進歩により、スリップウェイ方式を使わなくなった。代わって主流となっているのは「フローティング・ドック(浮きドック)」方式。これは、陸上で組み立てた船体をドックに載せて海に沈め、ゆっくりと浮かせる方法で、安全性が高いことが最大のメリットとされている。
造船業界の関係者は「スリップウェイ方式で5000トン級を進水させるなら、衝撃を緩和する支柱を大量に配置するなどの追加措置が必要だった」と指摘する。
また、「北朝鮮が使用したスリップウェイ方式は、船体の傾斜リスクが高く、国内の大手造船所ではすでに使用されていない。小型造船所であればまだ使われているかもしれないが、大型艦には全く適さない」と語った。
横倒しとなった駆逐艦は現在、青い防水シートで覆われた状態で海面に浮かんでおり、沈没には至っていない。陸地と接していることから、必要な装備があれば陸上に引き上げ、再び直立させる作業は可能だと業界関係者は見ている。
ただ、「引き上げと直立は時間と装備さえあれば可能だが、北朝鮮の造船技術の遅れを考えると、大型海上クレーンを保有しているかは疑わしい」とも述べた。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
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