トランプ氏、プーチン氏は「狂ってしまった」 ウクライナへの最大規模攻撃受け


ロシアのプーチン大統領に友好的な姿勢を示してきたトランプ氏はこの日、めずらしくプーチン氏を強く非難した。「一体全体、彼に何があったんだ?  彼はたくさんの人を殺している」と発言したほか、その後はソーシャルメディアでプーチン氏は「全く狂ってしまった」と書いた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先に、近頃のロシアによるウクライナ攻撃についてアメリカが「沈黙」していることが、プーチン氏を勢いづけていると主張。ロシアに、厳しい制裁を含む「強力な圧力」をかけるよう求めていた。

ロシアは24日夜から25日にかけて、ウクライナにドローン(無人機)298機とミサイル69発を発射。子供3人を含む少なくとも12人が死亡し、数十人が負傷した。ロシアの夜間攻撃としては、2022年にプーチン氏がウクライナへの全面侵攻を開始して以来、最大規模。

25日未明、ウクライナの多くの地域では、ドローンとミサイルの飛来を警告するサイレンが鳴り響いた。

ウクライナ北東部の都市ハルキウのイホル・テレホフ市長は、子供1人を含む少なくとも3人が負傷したと明らかにした。

■ロシアの攻撃が「気に食わない」

トランプ氏は25日、ニュージャージー州で記者団に応じ、プーチン氏とは「長いつきあいで、いつもうまくやってきた。だが、彼は(ウクライナの)街にロケット弾を撃ち込み、人々を殺している。まったく気に食わない」と語った。

アメリカの対ロシア制裁の強化を検討しているのかと問われると、トランプ氏は「もちろんだ」と答えた。トランプ氏はかねてから、このような脅しを繰り返している。しかし、これまでのところ、ロシア政府に対して何らかの制限を実施してはいない。

トランプ氏はそれから間もなく、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、プーチン氏は「完全に狂ってしまった」と投稿した。

「私はいつも、(プーチン氏が)ウクライナの一部ではなく全てを欲しがっていると言ってきた。それが正しいということが、証明されつつあるのかもしれない。だが、もし彼がそんなことをすれば、ロシアの破滅につながる!」ともトランプ氏は書いた。

一方でトランプ氏は、ゼレンスキー氏に対しても、「彼(ゼレンスキー氏の)話し方は、自国のためにならない」と批判。「彼の口から発せられるすべてが、問題を引き起こす。それが気に食わない。そういうのはやめるべきだ」と、トランプ氏はゼレンスキー氏について書いた。

■停戦は実現するのか

ウクライナの欧州の同盟国は、対ロシア追加制裁を準備している。しかしながら、アメリカは、和平交渉の仲介を継続するか、進展がなければ仲介の取り組みから手を引くとしている。

ウクライナでの停戦をめぐっては19日、トランプ氏とプーチン氏が2時間にわたり電話で協議した。

トランプ氏は、話し合いは「非常にうまくいった」と説明。ロシアとウクライナが戦争の停止と終結に向けて「直ちに」交渉を開始すると主張した。

一方でプーチン氏は、「将来の和平合意の可能性に関する覚書」の作成で、ウクライナと協力する用意があるとしたものの、欧米諸国が求めている30日間の無条件停戦を受け入れてはいない。

ウクライナは、ロシアとの30日間の停戦案を受け入れる用意があると表明している。

16日には、トルコ・イスタンブールで、ウクライナとロシアの直接協議が行われた。両国代表団の対面は、全面侵攻後間もない2022年3月以来初めて。

この直接協議で合意・実現した捕虜交換を除けば、戦闘の一時停止への進展はほとんどない。

2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始したロシアは現在、ウクライナ領土の約20%を支配している。

これには、2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアも含まれる。

(英語記事 Trump calls Putin ‘crazy’ after largest Russian attack on Ukraine)

(c) BBC News



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