編入簡素化・学業の連続性を保障・奨学金で誘致
米国のドナルド・トランプ政権がハーバード大学への外国人留学生の受け入れ禁止に踏み切ると、香港の政府と大学が即座に人材確保に乗り出した。米国の裁判所がハーバード大学による仮処分申立てを認容したことで、留学生追放措置はひとまず止められたが、香港の大学は奨学金支給や学業の連続性の保障など破格の条件を提示して人材を誘致している。
25日、中国中央テレビ(CCTV)は、米国政府が突然ハーバード大学の留学生や訪問研究者の資格を取り消すことを発表した後、香港の大学が人材確保の競争に参入したと報じた。これに先立つ22日(現地時間)、米国の国土安全保障省は、外国人学生の受け入れ禁止措置を発表し「ハーバード大学がキャンパス内における暴力と反ユダヤ主義を助長し、中国共産党と協力したことに対して、責任を求めている」と主張した。
香港政府のクリスティーン・チョイ(蔡若蓮)教育局局長は23日、ソーシャルメディアで「香港のすべての大学が資格を有する人たちに便宜を図る措置を講じ、優秀な人材を誘致するよう求めた」と表明した。香港科学技術大学や香港理工大学、香港市立大学、香港中国大学など複数の香港の大学がこれに応じた。
香港科学技術大学は、編入を望むすべてのハーバード大学の在学生の受け入れを表明し、簡素化した編入手続きなどを記した募集要項を公開した。同大学はハーバード大学の学生に編入を考慮するよう求める要請書まで送付したことが分かった。募集要項の公開直後、大学に10件の問い合わせがあったと、中央テレビが報じた。香港理工大学は、ハーバード大学から編入する学生に奨学金も提供し、入学手続きが煩雑にならないよう専門チームを設ける方針だ。
香港の大学は、編入後も学業の連続性を保証できる措置を提示した。香港市立大学は、ハーバード大学の博士課程の学生による研究の連続性と学問の質を保障するために、現時点でのハーバード大学の指導教授を共同指導教授として招聘すると表明した。香港科学技術大学も、ハーバード大学で取得した単位を編入時にも認めることを明らかにした。
裁判所が米国政府のハーバード大学留学生の追放に歯止めをかけたが、その後の法的攻防の結果は楽観視できない。このような不確実性のため、1000人以上のハーバード大学の中国人留学生とその家族が不安を訴えているという。香港紙のサウスチャイナ・モーニングポストは、中国の学生たちが米国政府の措置に衝撃を受け、「できることはない」「米国憲法が政府の措置を阻止するよう願う」などの反応を示したと報じた。
中国政府はトランプ政権を強く批判した。23日、中国外交部の毛寧報道官は「教育での協力を政治化することに、中国は一貫して反対してきた」とし、「今回の措置は、米国のイメージと信頼度を損なうだろう」と述べた。あわせて、「中国政府は中国の学生と学者の権利と利益を保護する」と補足した。
北京/イ・ジョンヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )