トランプ氏、マスク氏は「素晴らしい働き」 政権離脱の会見で称賛


【写真】マスク氏、政権離脱 会見でかぶっていた帽子は…

 マスク氏は「今後も大統領の友人兼アドバイザーとして役割を果たしていく」などと述べた。

 会見は、大統領執務室でトランプ氏が自席に座り、そのわきにマスク氏が立った形で開かれた。マスク氏は黒い「DOGE」の帽子をかぶり、胸に「The Dogefather」と書かれた黒いTシャツを着ていた。

 トランプ氏は、マスク氏について「ここ数世代で最も大規模かつ重要な政府改革プログラムをリードするために、たゆまぬ努力を続けてきた」と紹介し、マスク氏がこれまでの連邦政府のやり方に「巨大な変化」をもたらしたと称賛した。

 マスク氏主導による改革について「国民の90%が知っており、感謝している」と述べ、自身のサイン入りの木箱に入った大きな黄金の鍵を贈った。

 マスク氏は、自身の政府職員としての任期はあと数日で切れると説明したうえで、「これはDOGEの終わりではなく、始まりだ。DOGEの影響力はますます強くなる」と訴えた。時間がたつにつれて歳出削減の額は大きく膨らんでいくとの見通しを示した。

 ロイター通信によると、トランプ政権とDOGEは、230万人いた連邦政府の文民労働者のうち、約12%にあたる26万人を削減した。

 ただし、全体の支出削減額は現状で1750億ドルと見積もられており、マスク氏が当初掲げた2兆ドルとの間には大きな開きがある。

 マスク氏は、2024年の米大統領選で巨額の献金をするなどして、トランプ氏の当選を強力に支援した。トランプ氏はマスク氏を「天才」などと絶賛し、今年1月の第2次政権発足後に連邦政府の規模縮小や歳出削減などを目指すDOGEを主導する立場に就けた。

 マスク氏は、トランプ氏との関係の近さを背景に影響力を強め、連邦政府の事業や人員の削減などを推進した。

 しかし、4月以降は、高関税措置を巡ってナバロ大統領上級顧問(貿易・製造業担当)と言い争いをしたり、官僚人事を巡り経済閣僚トップのベッセント財務長官から批判されたりするなど、政権内での風当たりが強まっていた。

 また、歳出や人員削減を強権的に進めているという印象が広がったことでマスク氏の好感度は低下し、最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラは欧米で販売不振に陥っていた。

 特別政府職員は年間勤務が130日以内とされる。正式な任用日は不明だが、政権発足は1月20日のため、5月末ごろに期限を迎える予定だった。マスク氏は28日に政権から離脱する意向を表明していた。【ワシントン西田進一郎】



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