未解決事件「長岡京ワラビ採り主婦殺し」 アリバイを調べられた207名の不審者 似顔絵を公表された怪しすぎる“40代の男”


【写真】捜査本部が公表した40代男性“不審人物”の似顔絵

 そしてA子さんのジーパンのポケットには「オワれている たすけて下さい この男の人わるい人」とのメモが残っていた――。

 主婦2名を殺め、姿をくらました「この男」とは一体、何者なのか。被害者が残した“ダイイングメッセージ”の指すものとは。

 捜査線上には複数の不審者が浮かび、1人は似顔絵まで作られたものの、いずれも逮捕に至らず。1994年に時効を迎えている。「週刊新潮」は当時、現場を取材し、事件の詳細を報じている。以下、当時の記事を再録し、事件の謎に迫ってみよう。【前編】では、犯行の詳細を述べている。【後編】では、A子さんのジーパンに残っていたメモの詳細、そして浮かび上がった“不審人物”について詳述している。

(「週刊新潮」1979年6月14日号記事を一部編集しました。文中の年齢、役職等は当時のものです)

【前後編の後編】

 ***

暴行の激しさ

〈オワレているたすけて下さい。この男の人わるい人〉

 このメモは5月21日の日付のスーパーのレシートの裏側に、鉛筆で書かれていた。

〈たすけて〉の〈す〉は、初め〈く〉と書かれ、〈す〉と書きなおされ、〈く〉と〈す〉が重なって読みにくいと思ったのか、さらに横に〈す〉が書き加えてある。犯人が複数なら、こんなものを書いている余裕はなかったのではないか? 警察の調べでは、21日から事件当日まで、A子さんがこんなものを書かねばならぬ状況になったことはありえない。筆跡は、まちがいなく彼女のものである。

 暴行の激しさについての解釈も、見方が分れる。

 いったい1人の人間が、80カ所余も傷を作るほど人を殴るものであろうか? 

 が、逆に、1人だからこそ、2人の相手に逃げられぬよう暴行を重ねたとも考えられる。



Source link