「拉致・特定失踪者問題の早期解決を願う福井県集会」が24日、福井県敦賀市東洋町のプラザ萬象大ホールで開かれた。拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟で、拉致被害者家族連絡会事務局長の横田拓也さん(51)、小浜市の拉致被害者、地村保志さん(64)が講演。地村さんは「拉致問題の解決には世代を継いでいかないといけない(状況だ)」と危機感を示した。
主催は、拉致問題に取り組む「北朝鮮に拉致された日本人を救う福井の会(救う会福井)」。会場には市民ら500人が訪れた。
横田さんは福井県内で初めて講演。めぐみさんが拉致された当時を「明るく、おしゃべり好きで、家族の中で太陽のようなお姉さん。そんな姉が突然いなくなった」と振り返った。
問題の解決に世間の関心が大事だとして「家族や同僚に講演の話を一言するだけで拉致問題の風化を防ぐ一助になる」と訴え、「北朝鮮から絶対に一人残さず取り返すんだという気持ちで、私たちと一緒に戦ってほしい」と話した。
昨年6月から小浜市内の小中学校で巡回講座を行っている地村さん。子供たちに語る理由を「拉致を知らない若い人も増えるなか、風化を防ぎ、より身近に感じ協力、理解を深めたい」と話した。
北朝鮮に拉致された可能性がある県内の特定失踪者の家族も登壇。河合美智愛さん=越前市=の母、河合喜代子さん(78)と、山下貢さん=敦賀市=の妹、中原妙子さん(64)がそれぞれ家族への思いを語った。