韓国では6月3日、大統領選挙の投票が行われ、最大野党「共に民主党」の李在明氏が当選しました。今回の選挙で注目すべきは、28年ぶりの高さとなる投票率79.4パーセントを記録したことです。この結果について、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏と社会学者の古市憲寿氏が、フジテレビ系の情報番組「旬感LIVEとれたてっ!」で独自の分析を展開しました。[internal_links]
韓国大統領選挙で当選した共に民主党の李在明氏
高投票率の背景に「深刻化する男女対立」
番組に出演した古市憲寿氏は、今回の記録的な投票率の背景には、特に若い世代で深刻化している男女間の対立があると指摘します。この対立が、今回の有権者の「投票行動」に色濃く反映されたという見方を示しました。
古市氏は「若い世代でも分断があり、男性、女性で投票行動が結構違った」と解説。「女性は今回の民主党などに投票した人が多いが、男性は保守系が多い」と具体的な傾向を述べました。
この男女間の投票行動の違いについて、古市氏は「韓国では特に若い世代で、男女の対立がすごいことになっている」とし、「男性からしたら徴兵制もある、軍隊に行かなきゃいけないにも関わらず、女性ばっかりが優遇されているんじゃないかって意見が強くなっている」と男性側の不満を挙げました。
一方、「女性側は女性がずっと虐げられてきたと。もっと権利が必要なんだという意見があって、男女のいわゆるフェミニズムとかめぐる対立が深刻化していて、それが今回の投票行動にも現れた」と女性側の主張と、それが投票にどう影響したかを分析。「だから女性は民主党系、リベラル系、男性は圧倒的に保守系に出た人が多かった」と結論付けました。
強力な韓国政治勢力の誕生 日本はどう対峙するか
橋下徹氏は、当選した李在明氏が最大野党「共に民主党」の出身であり、現在の韓国議会が「共に民主党」の圧勝状態にあることに言及。これにより、大統領と議会が同党によって占められ、「強力な政治の力」が生まれると指摘しました。
橋下氏は「私は李在明さんと考え方は違うし、日韓関係においては非常に不安感を抱いています」と述べ、新しい韓国政権に対する懸念を表明しました。
さらに橋下氏は、日本の現状を「日本はいま少数与党になってふらふら状態だけども」と表現し、「強力な韓国の政治のグループが生まれるから、日本はどう対峙していくかってことです」と、日本が今後どのように対応していくべきか、その難しさに触れました。
李在明氏の政治家としての資質については、「私は李在明さんと考え方は違うけれど、芯のある政治家だと思う。志やエネルギーはすごい」と評価。「日本の政治家で李在明さんにまともに対峙できるような人いるのかな。適当にぽっと国会議員になった連中が絶対李在明さんに対峙できないと思うから」と、日本の政治家との比較で李氏の存在感を強調しました。
今回の韓国大統領選挙では、李在明氏の当選と共に、その高投票率が注目を集めています。特に若い世代に見られる男女間の深刻な対立が投票行動に影響を与えたという分析は、韓国社会の一側面を示唆しています。また、橋下氏が指摘するように、強力な政権基盤を持つ李在明政権が今後日本とどのように向き合っていくのか、そして日本側がどう対応していくのかが、今後の日韓関係における重要な焦点となるでしょう。
[引用元] FNNプライムオンライン (Yahoo!ニュース)