韓国大統領選、進歩系・李在明氏が当選 日韓関係の行方に注目

韓国大統領選が3日投開票され、進歩系の「共に民主党」から出馬した李在明前代表が当選、4日朝に大統領に就任しました。韓国では約3年ぶりに進歩勢力が政権を奪還。今後の韓国政治、特に日韓関係や北朝鮮関係に大きな影響を与える可能性があります。

韓国大統領選:李在明氏が勝利、得票率と背景

今回の韓国大統領選は、前大統領の憲法裁判所による罷免に伴う異例の選挙でした。中央選挙管理委員会の最終発表によると、李在明氏は49.42%の得票率を獲得し、保守系の「国民の力」候補らを破りました。投票率は79.4%と、近年の選挙と比較して非常に高い関心を示しました。これは、韓国社会における進歩と保守の深刻な対立構造を反映しているとも言えます。

韓国大統領選で当選確実となり、集まった支持者に演説する進歩系の李在明氏韓国大統領選で当選確実となり、集まった支持者に演説する進歩系の李在明氏

新大統領 李在明氏が示す政策方針

李大統領は4日未明の演説で、今後の政権運営における主要な方針を明らかにしました。経済再生と国民生活の安定を最優先課題とし、「経済を活性化させ、国民の生活を回復させるために全力を尽くす」と強調しました。また、深い対立が続く韓国社会の現状に触れ、「国民が敵と味方に分かれて憎しみ合う必要はない」と述べ、国民統合への強い意欲を示しました。

北朝鮮、そして日韓関係への影響

外交面では、特に北朝鮮との関係が注目されています。李大統領は「確固とした国防力で抑止力を確実に行使するが、戦う必要のない平和を作る真の安全保障だ」と述べ、対話の可能性も探る姿勢を示しました。
日韓関係については、李大統領は過去に日本に対し強硬な発言をしたこともありますが、最近は日韓協力を重視する姿勢を強調しています。前政権下で一定の改善が見られた日韓関係が、李新政権下でどのように推移するのか、日本政府はその動向を注視しています。

盤石な政権基盤と人選

李大統領が率いる共に民主党は、国会で過半数を大きく上回る議席を有しており、新政権は比較的盤石な体制で始動します。聯合ニュースの報道によると、首相には共に民主党の金民錫最高委員、大統領秘書室長には姜勲植氏を起用する方針とされています。

李在明氏の経歴

弁護士出身の李在明氏は、京畿道城南市長や京畿道知事などを歴任しました。2022年の前回韓国大統領選にも出馬しましたが、尹氏に僅差で敗れています。その後、約3年間共に民主党の代表を務め、党内での基盤を固めました。今回の選挙で2度目の挑戦となり、当選を果たしました。

主要候補の得票結果

候補者 得票数 得票率
李在明氏 17,287,513票 49.42%
金文洙氏 14,395,639票 41.15%
李俊錫氏 2,917,523票 8.34%

※韓国中央選挙管理委員会発表。5人が立候補

まとめ:新政権の課題と展望

今回の韓国大統領選李在明氏が当選したことは、韓国の政治地図を塗り替え、今後の国内外政策に大きな影響を与えるでしょう。経済立て直し、国民融和、そして日韓関係北朝鮮関係など、新政権が直面する課題は多岐にわたります。特に日本にとっては、新しい韓国大統領がどのような対日スタンスを取るか注目されます。今後の韓国政治から目が離せません。