メーガン妃「出産ダンス」動画に賛否両論 – プライバシー論争再燃か

英メーガン妃が長女リリベットの出産直前に踊ったとされる「ベイビーママ・ダンス」の動画が公開され、ソーシャルメディア上で大きな賛否を呼んでいる。メーガン妃は陣痛を促すために試したと説明しているが、「注目されたいだけ」「プライバシーの主張と矛盾する」といった批判の声が上がる一方、妊娠後期のあるあるだとして擁護する意見も見られる。

この動画は、リリベットの4歳の誕生日を記念してメーガン妃自身が未公開映像として投稿したもの。出産予定日を1週間過ぎても生まれる気配がなく、辛い食べ物やウォーキング、針治療なども効果がなかったため、最後に残された手段だったと説明している。ヘンリー王子も自著「スペア」の中で、この時病室で「ベイビーママ・ダンス」を踊ったことを記しており、彼らは落ち着いて病院に向かい、食事をとり、病室で踊ったと振り返っている。

陣痛を促すために「ベイビーママ・ダンス」を踊ったとされる、英メーガン妃の動画より陣痛を促すために「ベイビーママ・ダンス」を踊ったとされる、英メーガン妃の動画より

動画に対する擁護の声:「馬鹿げた批判だ」

ソーシャルメディア上では、メーガン妃を擁護する声も上がった。ソーシャルメディア分析企業の創業者クリストファー・バウジーはX(旧ツイッター)で、「妊娠中の女性が踊っただけで大騒ぎしているような奴らは、まともな人間じゃない」と投稿。メンズファッション専門ジャーナリストのデレク・ガイも同様に「メーガン・マークルに対するネチネチした批判は、どれも本当に馬鹿げている。気に入らないなら見なければいい。勘弁してくれ」と述べた。政治評論家としても活動しているショーラ・モスショグバミムは、自身も妊娠40週の頃は本当に厄介者で、とにかく赤ちゃんを外に出したかったとし、「文字どおり、ありとあらゆることを試した」と共感を示し、メーガン妃の気持ちが「よく分かる」とした。

批判的な反応:「注目されたいだけ」「プライバシー主張と矛盾」

一方、動画公開は「話題作り」や「注目されたい」ためだと批判する声も少なくない。英デイリー・メール紙は見出しでメーガン妃を「イタい女王」と称した。毒舌で知られるジャーナリストのピアーズ・モーガンは「あと2カ月もすればセックステープを公開するのでは……」と皮肉交じりにXに投稿し、下品だと批判した。コラムニストのアマンダ・プラテルは、夫婦がプライバシーを重視していると強く主張しているにもかかわらず、夫婦の関係における最も神聖でプライベートな瞬間の一つを自らソーシャルメディア上にさらすことの矛盾を指摘し、「人々の注目を集めるための哀れな、かつ必死な試み」だと述べた。ジャーナリスト兼キャスターのカミラ・トミニーもデイリー・テレグラフ紙に寄稿し、予定日超過の苛立ちは理解できるとしつつも、「陣痛が来ている時にやることリスト」にトゥワーク(腰を激しく振るダンス)は載っていないだろうと疑問を呈した。彼女は、笑気ガスや硬膜外麻酔、夫への八つ当たりはリストにあるかもしれないが、カメラに向かって口パクで歌いながらセクシーなダンスをすることはリストにはないと皮肉った。

メーガン妃が公開した出産前のダンス動画は、妊娠・出産という個人的な出来事に対する共感と、王室メンバーのプライバシー及びメディア戦略に関する議論を再び巻き起こしている。自己表現として捉えるか、あるいは自己矛盾として捉えるかで、人々の評価は大きく分かれている状況だ。

記事はNewsweek Japanより