「共働き」のどの家庭にもついて回るのが「夫婦でどうやって家計を分担するか」という問題。
費用項目ごとに分担するのか、総額を折半するのか。貯金口座はどちら名義かーー。
これらの難問に夫婦はどうやって納得のいく“解決策”を見つけ、実践しているのでしょうか。あまりオープンに語られることのない、夫婦の“マネーバランス”について共働き世帯の夫婦に話を聞き、リアルな工夫や不満に迫ります。
【グラフを見る】生活費、ローン、投信…hacoさん家の「手取り60万円」の使い道はこんな感じ!
■“サラリーマン家庭”から医学部進学を実現
私立医学部への進学といえば、費用の面から「裕福な家庭の話」と思われがちだ。しかし、共働きサラリーマン家庭でも、地道な家計の工夫によって実現できるケースがある。
今回紹介するのは、ブログ「共働きサラリーマン家庭から私立医学部」を運営する、西日本在住のhaco0313さん(50歳、以下hacoさん)。専門職のhacoさんと、上場企業の管理職として働く夫(53歳)の世帯年収は1570万円。ひとり息子は現在、下宿しながら私立医学部に通っている。
「うちはダブルインカムですが、いわゆる“パワーカップル”ではありません」とhacoさんは話す。現在の手取り月収は夫が約40万円、hacoさんが約20万円。6年間で学費が約3000万円、生活費が約1000万円かかるとされる私立医学部進学費用をどう捻出しているのか。その家計の分担と管理術に迫った。
本連載では、共働き世帯の夫婦を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
家計の役割分担は明確だ。hacoさんが家事と家計の管理を担い、夫が生活費全般を負担している。光熱費などの支払いは、夫の給与口座から引き落とされる仕組みで、hacoさんが分担する家族の支出は基本的にレジャー費のみ。
hacoさんの手取り20万円の使途は、自分名義のiDeCoやNISAなどの積み立て投資に12万円強、がん保険の保険料3800円、化粧品など美容に関する費用1万円、趣味などの費用が4~5万円、残りが貯蓄となっている。