山梨知事「日軽金を提訴も検討」 上流浸水の雨畑ダムを視察





土砂の堆積が進む雨畑ダム(後ろ)を視察する山梨県の長崎幸太郎知事=27日午後、同県早川町(渡辺浩撮影)

 土砂の堆積率が9割を超え、上流沿岸が何度も浸水被害を受けている山梨県早川町の雨畑ダムについて、同県の長崎幸太郎知事は27日、設置者のアルミ圧延大手、日本軽金属(東京)に損害賠償を求めて提訴することも検討すると明らかにし、同社を厳しく批判した。

 雨畑ダムを視察後に記者団に語った。雨畑ダムは上流の川底が上がっているため大雨のたびに浸水が発生。台風19号でも浸水防止用の土堤防が壊れたほか、県道が崩落して一部地区で孤立状態が続いた。

 知事は「土砂堆積を抜本的に解決するよう国を通じて求めてきたが、日軽金がこれ以上、地元軽視の経営を続けるなら、県道などの損害賠償を求める訴訟もあり得る」とした。

 浸水被害を受けた本村地区の公民館で行われた対話集会では、住民から「高さ10メートルの堤防を造ってほしい」との要望が出たが、知事は、増水を前提とするのではなく、安全対策を取りながら日軽金に元の状態に戻させるとの立場を示した。

 雨畑ダムなど富士川水系の濁りは、静岡県の駿河湾産サクラエビの不漁と関係しているとの指摘もある。知事は「雨畑ダムの問題は山梨県だけでなく、日本全体の問題」と強調した。



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