フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビは6月5日、臨時取締役会を開き、港浩一前社長および大多亮元専務に対し、会社法に基づき法的責任を追及することを決定、訴訟の準備に入ったと発表した。この決定は、中居正広氏と元女性アナウンサーを巡る事案における両名の対応に関する調査結果を踏まえたものである。フジテレビの清水賢治社長が同日、報道陣に対し明らかにした。
会社側の対応と関係者の処分
フジとFMHが設置した第三者委員会は、件の事案について、港前社長らが「プライベートな男女間のトラブル」と即断したことが結果的に問題拡大を招いたと指摘している。これを受け、フジテレビは一連の問題に関して、元女性アナウンサーに見舞品を届け弁護士を紹介した元編成部長を4段階降職とする懲戒処分に付したほか、当時の編成制作局長を減俸50%にするなど、関係者の処分を次々に発表した。
中居氏側と第三者委員会の交渉打ち切り
一方、中居正広氏側は5月12日、代理人弁護士を通じて第三者委員会に対し、性暴力認定に至った証拠開示などを要求。委員会は当初「開示しない」と返答したが、中居氏側は同月23日、30日と重ねて反論を行った。しかし、第三者委員会は6月3日、中居氏の代理人弁護士に対し、「貴職らの見解と当委員会の見解の間には、依然として大きな隔たりがあり、埋め難い」と断じ、被害者への二次被害の危険性を指摘。これ以上の対応は行わないと明確に伝えた(「当委員会は、今後の貴職らとのやりとりを差し控えさせていただくことといたします」)。中居氏は第三者委員会への反撃開始時、知人には「次の次を考えている」「ブレーンがいる」と強気な姿勢を見せていたとされるが、委員会との対話は打ち切られた形だ。
関係者からの孤立と今後の行方
この問題の影響は中居正広氏の周囲にも及んでいる。中居氏と親しくしていた関係者からは、「しばらくは中居さんと連絡とることができなくなった」との声が聞かれる。どうやら、フジテレビ側や元女性アナウンサー側が中居氏の相次ぐ反論に強い疑問を感じており、特にフジテレビ系列の番組で付き合いのあった仕事仲間には、局関係者から中居氏への電話やメールを控えるよう伝えられているという。かつて近かった関係者たちが、明らかに中居氏と距離を置くようになったとしている。
中居正広氏が痩せた姿で帰国、関係者も距離を置く状況
フジテレビの清水社長は、取材陣から中居氏への対応について問われると、「まだすべての選択肢を残したままの状態である、としか申し上げられません」と回答しており、中居氏側への提訴の可能性を否定しなかった。今後の展開が注目される。
フジテレビが元社長らへの訴訟準備を進める一方、中居正広氏側と第三者委員会の間の溝は埋まらず、関係者からの孤立も報じられている。会社側も中居氏への法的措置を含む「すべての選択肢」を排除しない姿勢を示しており、この問題の解決にはまだ時間を要する可能性がある。今後の動向を引き続き注視する必要があるだろう。
参考資料
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb67091e9b7ca389c7c66b99780dc4cef95b1c8e