ロサンゼルス 不法移民取り締まり抗議デモ激化、トランプ大統領が州兵派遣

アメリカ・ロサンゼルスで不法移民取り締まりへの抗議デモが激化。トランプ大統領は州兵を派遣したが、市民と当局の衝突が続き収束の見通しは立たない。アメリカの分断を象徴する事態となっている。

現地の混乱状況

ロサンゼルスの街中で複数の車が炎上し、すぐそばではメキシコ国旗も掲げられる。ロサンゼルス中心部の大通りはデモ参加者で埋め尽くされ、「トランプ辞めろ」と抗議の声が響いた。NNN山田元気記者は「大通りを埋め尽くすほどの人たちが集まってきています。抗議の声、奥の方までずーっと続いています」と現地の様子を伝えている。

デモ隊によって炎上したロサンゼルスの車両と集まる群衆(不法移民抗議)デモ隊によって炎上したロサンゼルスの車両と集まる群衆(不法移民抗議)

当局の対応と衝突の激化

これに対し、当局は多数のパトカー投入で警戒を強めている。山田記者は「多くのパトカーが集まってきました。車列がずっと続いています。かなり異様な光景です」と報告。移民政策に反発する市民らと当局の衝突は激化しており、山田記者は「抗議者と警察が衝突、かなり緊迫した状態が続いています」と現場の緊迫感を伝えている。

ロサンゼルス中心部を行進する多数の警察車両(不法移民デモ関連)ロサンゼルス中心部を行進する多数の警察車両(不法移民デモ関連)

事態の背景:トランプ政権の移民対策

事の発端は、トランプ大統領が最優先課題と位置づける不法移民対策だ。6日には、人口の3割以上が移民であるロサンゼルスで一斉摘発が行われ、滞在資格のない移民44人が拘束された。これが大規模な抗議活動の引き金となった。

ロサンゼルスの連邦政府ビル前に集結した警察車両と州兵部隊。ロサンゼルスの連邦政府ビル前に集結した警察車両と州兵部隊。

トランプ大統領の異例の州兵派遣

これを受け、トランプ大統領は連邦政府のビルの前などに州兵を派遣した。山田記者は「連邦政府のビル前には50台以上近くあるでしょうか、パトカーが集まってきています。トランプ大統領が派遣した州兵も配置されています」と報じた。通常は州知事の指揮下にある州兵だが、トランプ氏は州知事らが職務を果たせていないとし、知事の要請を得ずに2000人を派遣するという異例の指示を出した。

続く緊張と収束の見通し

トランプ大統領は「無法な暴動は我々の決意を強めるだけである。ロサンゼルスを移民侵略から解放し、暴動を終わらせる」と述べ、取り締まりと鎮圧への強い意志を示した。しかし、現場では依然として混乱が続き、事態収束の兆しは見えていない。山田記者は「いま警察がゴム弾を発砲しました。こちらから音が確認できます。かなり緊迫した状況が続いています」と、その場で起きている危険な状況を伝えている。

ロサンゼルスで発生している不法移民取り締まりを巡る抗議活動と、それに対する当局の対応は、アメリカ社会の分断と緊張を改めて浮き彫りにしている。トランプ政権の強硬な移民政策が今後も同様の反発を招く可能性があり、その行方が注視される。

Source: 日テレNEWS NNN