国民民主党の玉木雄一郎代表は11日、夏の参院選比例代表での擁立を予定していた山尾志桜里元衆院議員について、公認を見送ると発表した。この決定に関して玉木氏は、その理由を「有権者、そして全国の支援者からの十分な理解と信頼が得られないと判断したため」と説明した。
玉木氏は、山尾氏の当初の擁立は自身が主導した経緯を述べ、「代表である私自身にも責任がある」と認めた。ただし、具体的な責任の取り方については、「厳しく受け止めたい」と述べるにとどめた。この説明は、国会内で記者団からの質問に答える形で行われた。
党首討論後、参院選公認見送りについて記者の質問に答える国民民主党・玉木代表
公認見送りに先立ち、山尾氏は10日に記者会見を開き、過去の不倫疑惑などについて釈明を試みた。しかし、その会見では詳細な問いへの回答を避ける場面が散見されたと報じられている。玉木代表は、この会見について「明確に答えにくい点があったことも事実だろう」との見解を示した。
不倫疑惑について問われ、会見で説明する山尾志桜里氏
さらに、玉木氏は11日の党会合で、所属国会議員らから寄せられた意見に言及。「東京都議選や今後の参院選を控える状況で、山尾氏を擁立したまま選挙戦を展開するのは極めて難しい」といった声が多く上がったと説明した。こうした党内の意見も踏まえ、「現時点では、山尾氏が有権者や支援者からの理解と信頼を十分に得るには至っていないとの認識に至った」と判断の背景を改めて強調した。山尾氏の擁立発表(5月14日)の当初から、過去の疑惑再燃の懸念が指摘されていた点に関しては、「対応が遅れた、あるいはもっと適切な対応があったのではないかとの批判については、真摯に受け止めたい」と反省の弁を述べた。
国民民主党は、山尾氏の参院選公認見送りを決定した背景として、有権者の理解不足と党内の懸念を挙げている。玉木代表は責任に言及しつつも、具体的な対応は明言を避けた。公認見送り決定は発表前に山尾氏本人に伝えられたが、その際の山尾氏の反応については「相手があることなので差し控えたい」として明らかにしていない。