アルゼンチンのクリスティーナ・フェルナンデス元大統領(72)は、在任中に行われた公共事業契約における汚職で有罪となり、懲役刑が確定しました。10日、最高裁判所は検察と被告人双方の控訴を棄却し、懲役6年と被選挙権の剥奪を命じた原審を確定させました。
汚職で懲役刑が確定したクリスティーナ・フェルナンデス元アルゼンチン大統領
確定判決の詳細
最高裁判所は10日(現地時間)、フェルナンデス氏に対する「国家相手詐欺」容疑について、検察側および被告人側の双方の控訴を棄却しました。これにより、ブエノスアイレス第2連邦裁判所が2022年に下した懲役6年の実刑判決と、生涯にわたる選出職への立候補禁止(被選挙権の剥奪)、さらに約6000億ウォン(約633億円)相当の財産没収命令が確定しました。この判決は、アルゼンチンの最高司法機関によって最終的なものとされました。
汚職疑惑の内容
フェルナンデス氏は大統領在任中(2007年~2015年)、南部のサンタクルス州における道路建設など、計51件の公共事業契約を、知人が運営する建設グループ「ラサロ・バエス氏のグループ」に意図的に集中させた疑いで起訴されました。検察によると、この不正な契約集中の見返りとして、フェルナンデス氏側は約10億ドル(約1兆3000億ウォン)という巨額の裏金を受け取ったとされています。この建設会社の収益は2015年時点で2004年と比較して460倍に、資産は約120倍に激増しており、検察はこの異常な成長が汚職の証拠であると主張しました。
政治的背景と評価
フェルナンデス氏は、夫であるネストル・キルチネル元大統領(故人)から政権を引き継ぎ、アルゼンチンにおいて強い影響力を持つポピュリズム政治家として活動しました。在任期間中、彼女は各種補助金、福祉拡大、減税といった「一方的な支援」政策を積極的に推進し、労働組合や庶民層から強い支持を得ました。しかし、これらのばらまき政策が国家に深刻な財政難をもたらしたとして、国内外から「ポピュリズムの女王」と批判されることも多くありました。今回の最高裁による有罪確定は、彼女の長きにわたる政治キャリアにおける決定的な汚点となります。
参照元
- ラナシオン (La Nación)
- クラリン (Clarín)
- 中央日報 (JoongAng Ilbo)