兵庫県文書問題:元局長処分翌日、斎藤知事会見は何を明かしたか

兵庫県で波紋を広げる「文書問題」。元県民局長への懲戒処分発表から一夜明け、斎藤知事が定例会見に臨みました。処分を巡る報道が過熱する中、知事は何を語り、県政のかじ取りについてどう説明したのか。その会見内容を詳しく解説します。

兵庫県 文書問題に関する2024年5月8日の斎藤知事定例会見の様子兵庫県 文書問題に関する2024年5月8日の斎藤知事定例会見の様子

元局長懲戒処分、記者からの問いかけ

元県民局長に対する懲戒処分の発表は、人事課から行われましたが、記者からはその客観性や妥当性について疑問の声が上がりました。処分が知事の意向を受けたものではないか、また、十分な調査が尽くされていないのではないかとの指摘に対し、第三者委員会による再調査を求める質問が出されました。

しかし、会見に同席した特別弁護士は、今回の調査で「一定の第三者性は担保できた」とし、第三者委員会を設置しても「新たな事実が出てくる可能性はない」と述べ、設置の必要性を否定しました。これにより、懲戒処分に関する県の公式な立場が改めて示されました。

会見日程の決定と知事の意向

この定例会見の日程については、興味深い証言があります。総務部長は以前、処分の日程を決める際に知事から「定例会見の日程というのもありますので、その辺りを考慮して、一番いいときはどこかなというような形で指示がありました」と明かしています。これは、知事自身が、処分発表後の県民やメディアへの説明の場として、この定例会見を重視していたことを示唆しています。

会見時間の長期化傾向

この5月8日の定例会見は、斎藤知事が就任して以降、初めて1時間を超える長時間となりました。通常は30分から40分程度で終了することが多かった会見が、この問題を機に大きく変化していったのです。6月以降は、様々な媒体の参加により、1時間を超えることが常態化し、特に文書問題への対応を説明した8月7日には3時間半、失職直前の9月11日には3時間20分を超えるなど、異例の長時間会見が続くことになります。この日の会見は、その端緒と言えるでしょう。

知事が語った「遺憾」と「お詫び」

会見冒頭、斎藤知事は元県民局長への懲戒処分について、自身の受け止めを述べました。「職員一丸となって、県政の推進に取り組んでいる中で、このような事案が起きたことは、改めて、大変遺憾であります。県民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思っています」と、改めて遺憾の意とお詫びを表明しました。さらに、「改めて公務員倫理の徹底を図るとともに、今後、より風通しの良い県庁組織を作る、風通しの良い職場づくりに向けて、私としても最大限取り組んでいきたい」と述べ、組織の立て直しと倫理の徹底を誓いました。

まとめ

この日の定例会見は、斎藤知事が元県民局長への懲戒処分について公に説明した初の機会となりました。第三者委員会設置を求める声は退けられましたが、この会見を境に知事の会見時間が長期化するなど、文書問題を巡る県の対応が新たな局面に入ったことを示唆しています。県民の不信感を払拭し、失われた信頼を回復するためには、今後さらに丁寧な説明と具体的な行動が求められるでしょう。

参照元

https://news.yahoo.co.jp/articles/9da00d5bfa7f0d17dd991ed3dc0d6ddce4950303