6月11日、産経新聞Web版が報じた40代クルド人男性の覚せい剤取締法違反容疑での逮捕、起訴は、出入国在留管理庁関係者や難民支援者の間で大きな波紋を広げています。この男性は過去に合計5年間施設に収容され、入管に対する批判を繰り返し、国を複数回提訴するなど、当局批判の急先鋒としてメディアにも度々登場していた人物です。この覚せい剤 クルド人 逮捕のニュースは、彼のこれまでの活動との関連で注目されています。
逮捕の詳細と状況
産経記事によると、逮捕されたのは都内在住の無職、デニズ・イェンギン被告（46）です。調べによれば、デニズ被告は5月12日の夜、新宿区の路上で覚せい剤1袋を所持していたとして現行犯逮捕され、その後6月2日に起訴されました。捜査関係者によると、逮捕のきっかけは「外国人らしい男性から白い粉を見せられた」という110番通報でした。通報を受け、歌舞伎町近くの路上に駆けつけた警察官がデニズ被告に声をかけたところ、支離滅裂な言動が見られたため所持品検査を実施。その際、尻ポケット付近からビニール袋が落ち、中に白い結晶が入っていました。被告は「自分のものではない」と容疑を否認し、署への引き渡し後も「警察の罠だ」「弁護士が来ないと話さない」と取り調べに応じない姿勢を見せ続けたといいます。所持していた覚せい剤は約0.418グラムで、末端価格は2～3万円程度と見られます。
覚せい剤事件に関連するイメージ写真。白い結晶状の覚せい剤が映っている。
入管との長い係争とメディアへの露出
デニズ被告がこの事件で特に注目されるのは、彼が以前からマスコミで知られた存在であったためです。被告は2007年に来日して以来、入管施設への収容と仮放免を繰り返し、施設での待遇などを巡って国を相手に複数回訴訟を起こしてきました。訴訟資料などによれば、彼は1979年トルコ・イスタンブール生まれのトルコ国籍を持つクルド人です。2007年に来日後、埼玉県蕨市で家屋解体業に従事していましたが、在留資格が90日間の短期滞在であったため、翌年には不法残留容疑で逮捕され入管施設に収容されました。その後、仮放免と再収容を繰り返し、入管施設には合計で5年間収容された経験があります。2011年には日本人女性と結婚しています。また、難民認定申請を4回行っていますが、いずれも不認定となりました。しかし、当時は難民申請中は強制送還が停止される制度であったため、彼は日本国内に留まり続けることが可能でした。
まとめ
入管当局への批判や国を相手取った訴訟を繰り返すなど、日本の入管制度に対する発言力の強い人物として知られていたクルド人男性、デニズ・イェンギン被告が覚せい剤所持容疑で逮捕・起訴されたニュースは、関係者の間で驚きをもって受け止められています。彼の背景にある長期にわたる日本での滞在、入管施設での経験、そして難民認定の不認定という複雑な状況が、今回の事件の背景として改めてクローズアップされています。
参照元:
- 産経新聞Web版 (引用された逮捕・起訴に関する記事)
- デイリー新潮 (引用された記者会見写真に関する記事)
- Yahoo!ニュース (記事掲載プラットフォーム)
