平本淳也氏、被害者への謝礼求め調停申し立て 「非弁行為」の懸念も

故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」元代表の平本淳也氏(59)が、補償金を受け取った被害者に対し謝礼の支払いを求める調停を申し立てたことが明らかになりました。自身がSMILE-UP.への申告手続きや交渉を支援したことで補償金が得られた、というのがその根拠です。この行動に対し、一部からは「やり過ぎ」との声が上がっています。

調停の内容と平本氏の活動背景

申し立ては、平本氏が被害者のSMILE-UP.(以下、スマイル社)が設置した被害者救済委員会への申告手続きや交渉を支援した結果、補償金を得られたとして、その補償額の2割程度の謝礼を支払ってほしいというものです。ジャニーズJr.のOBは、「先月から調停の話を聞いていた。お礼を伝えようとしていた被害者に対し、突然2割を請求したようだ」と語ります。

平本淳也氏の肖像。被害者への謝礼支払いを求める調停を申し立てた元「当事者の会」代表平本淳也氏の肖像。被害者への謝礼支払いを求める調停を申し立てた元「当事者の会」代表

平本氏は2023年6月に結成、昨年9月に解散した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」で代表を務めましたが、体調不良を理由に昨年1月末に退任しています。しかし、退任後も自身のホームページで相談窓口を設け、被害者へのアドバイスを続けていました。

浮上する「非弁行為」の疑念

平本氏はメディア取材や自著『ジャニーズ帝国との闘い』、トークイベントなどで、被害者の補償交渉サポートに言及。「陳述書や不服申立書の代筆もしました」「訴状まで書いてるからね。全部、俺が書いてる」などと語っていたことが、弁護士資格を持たない者が報酬を得て法律事務を行う「非弁行為」(弁護士法違反)にあたるのではないか、とささやかれる原因となりました。

法曹関係者の見解

さる法曹関係者は、報酬を得たと明言がないためこれまでは「非弁行為まがい」と表現するのが妥当だったと指摘します。しかし、弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で書類作成といった弁護士業務を「業として反復継続する」ことが非弁行為の構成要件であり、「謝礼請求の調停が申し立てられた時点で、『まがい』ではなく明確な非弁行為と言われる可能性がある。調停申し立ては問題を招くかもしれない」と懸念を示しています。

「補償ビジネス」構想の証言

別のJr.OBは、平本氏が「当事者の会」解散前後、被害者救済の法人立ち上げ構想で「相談にきた被害者を補償受付窓口に登録させ、スマイル社と交渉する。補償対象となった場合にその一部を受け取る『補償ビジネス』を考えていた」と証言します。「当然タダじゃやらねえ。補償金の何パーかはもらう。面白くねえか」と話しており、周囲から違法性を指摘されても「被害者だって元々もらえない金なんだからいいだろ」と聞く耳を持たなかったと語っています。

まとめ

被害者支援を続けてきた立場でありながら、補償金に対する謝礼を求める平本氏の行動は波紋を呼んでいます。これが法的に問題のある「非弁行為」にあたる可能性や、「補償ビジネス」とも取れる構想が過去に語られていたという証言は、今後の展開に注目が集まる要因となっています。