NHK連続テレビ小説『あんぱん』第55回(6月13日放送)では、中国への動員が決まった柳井嵩(北村匠海)と、彼を気にかけてきた八木上等兵(妻夫木聡)の関係に焦点が当たりました。これまで厳しく接しつつも嵩を助けてきた八木が、その理由を明かします。
中国へ向かう嵩と八木の助言
小倉連隊に動員命令が下り、嵩たちに中国行きが決定。嵩は八木にこれまでの感謝を伝え、「何としてでも生きて帰りたい」と決意を語ります。これに対し八木は、「弱い者が戦場で生き残るには、卑怯者になることだ」と意味深な助言を与えました。
中国での再会と詰め寄り
中国に上陸した嵩たちは、福建省奥地で幼馴染の岩男(濱尾ノリタカ)と偶然の再会を果たします。しかし、その直後、嵩は上官の粕谷(田中俊介)に呼び出されます。粕谷は嵩が以前八木に渡した似顔絵を持ち出し、「これを描いたのはお前か」と厳しく問い詰めるのでした。
八木が明かした「同じ匂い」の理由
この回では、中国行きを前にした嵩と八木の会話が重要な場面でした。嵩からの礼に対し、八木は彼が入隊当初に井伏鱒二の詩集を持っていたことを指摘。その時「同じ匂い」を感じたことが、自身が嵩を手助けしてきた理由だと打ち明けたのです。これまで厳しい態度で嵩を導いてきた八木の真意が明らかになりました。
『あんぱん』第55回放送より、八木上等兵(妻夫木聡)が柳井嵩(北村匠海)に助言し、助けてきた理由を語る場面
視聴者の共感と「井伏鱒二」トレンド入り
八木の意外な理由が明らかになると、SNS上では多くの視聴者が反応。「やっぱり井伏鱒二の本だったのか」「弱い嵩のために、少しでも立場を良くしてやろうとしたんだろう」「やはり八木上等兵は嵩に共感していたんだ」といった納得や感動の声が上がりました。この反響を受け、X(旧ツイッター)では関連ワードである「井伏鱒二」がトレンド入りするほどの注目を集めました。
第55回で明らかになった八木上等兵の真意は、視聴者に深い共感と感動を与えました。特に、文学作品を通じた「同じ匂い」という表現は、戦争という極限状態における人間的な繋がりと内面世界を描き出し、物語に一層の奥行きを加えています。今後の嵩と八木の関係、そして過酷な戦地での展開から目が離せません。