エア・インディア機墜落事故:「推力なく上昇できず」機長が管制官に交信か インド当局が調査進める

インド西部アーメダバードで発生したエア・インディア機墜落事故に関し、新たに機長からの交信内容が報じられた。英ニュースサイトのインディペンデントによると、機長は離陸直後、「推力がなく、上昇できない」と管制官に伝えていた。これは機体や部品に不具合があった可能性を示唆している。

この事故について、エア・インディアおよびインド政府は現在、エンジンの推力や翼のフラップといった高揚力装置に焦点を当て、詳細な墜落原因調査を進めている。原因特定に向け、関係機関が協力している。

地元メディアの報道では、この事故による死者は乗客乗員241人に加え、地上で巻き込まれた人々を合わせ計274人に上るとされている。現場からは事故原因解明の鍵となるブラックボックス一つが回収されており、当局は分析を急いでいる。また、米国や英国からの調査支援チームも現地に到着し、国際的な協力体制が敷かれている。

インド・アーメダバードのエア・インディア機墜落現場で、機体残骸の近くを歩く人。事故調査が進められている様子。インド・アーメダバードのエア・インディア機墜落現場で、機体残骸の近くを歩く人。事故調査が進められている様子。

事故は12日午後1時38分(日本時間同5時8分)に発生。旅客機はアーメダバード空港を離陸した直後に救難信号を発したが、その後交信が途絶え、高度約190メートルから急速に降下し、空港近くの市街地に墜落した。離陸から墜落までの時間はわずか約30秒という短時間だったことが分かっている。

インディペンデント紙はまた、操縦していたパイロットは総飛行時間8200時間を超えるベテランであり、数カ月後に退職を控えていたと報じている。パイロットの経験や当時の状況についても、今後の調査で詳細が明らかになるものと見られる。

今回のエア・インディア機墜落事故は、離陸直後の機体不具合の可能性や、短時間での急降下といった異常事態を示している。現在、国内外の専門家が協力し、ブラックボックスの解析を含む徹底的な調査が進められており、早期の墜落原因解明が待たれる。

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