小池理雄氏、小泉農相のコメ価格対策を「50点」と辛口評価 – 備蓄米放出の意図と課題

「五ツ星お米マイスター」として知られる小池精米店(東京・表参道)の3代目、小池理雄氏が14日、日本テレビ系「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」に出演し、高騰するコメ価格の安定化を図る小泉進次郎農林水産大臣の手法について自身の評価を述べた。政府備蓄米の随意契約による放出を巡る農水省の対応に対し、小池氏は「私見ですが、だいたい50点くらい」と率直な採点を示した。これは、近年の米価変動に対する専門家の厳しい視点を示すものだ。

備蓄米放出の「評価できる点」と「懸念点」

番組内の討論コーナー「ジグザグ考論」で現在のコメ政策が議論される中、米の専門家として参加した小池氏は、番組MC小沢征悦からの問いに対し、政府の対応を「50点」と評価した理由を説明した。まず、価格高騰に苦しむ消費者が多数いた状況で、備蓄米放出により「一気に安い方向に持っていった」ことについては、「評価すべきところ」と述べ、緊急措置としての効果を一定程度認めた。しかし、懸念点として「5キロ2000円という値段だけが、今、一人歩きしている」現状を指摘。「それって普通だよね、と思われると…」と続けた上で、生産者の視点から「農家さんからしたら2000円で売られるとなると、もう彼らは生活できないくらいの値段なんです」と、極端な価格下落が生産者経営に深刻な影響を与えている実態を訴えた。

コメの専門家が米を手に持っているイメージ写真コメの専門家が米を手に持っているイメージ写真

低評価の理由と「適正価格」への言及

小池氏が50点という低評価をつけた最大の理由は、政府からのアナウンス不足にある。「緊急事態ということで、今回やむを得ずそういう金額にしたというのはいいんですけれど、それをぜひ強くアナウンスしてほしい。(備蓄米の5キロ2000円は)今だけなんだと。適正価格ではない、一時的ですよということをことあるごとに言ってほしい」と要望。その「アナウンスがちょっと、ないので、50点というところです」と、情報発信の課題が評価に影響したことを明確にした。また、番組で示されたスーパーでの5キロ当たり平均価格4223円や、石破茂氏がコメの適正価格を「3000円台」としていることに触れつつ、小池氏は備蓄米や輸入米を除いた実質的な適正価格について「個人的には3000円前半から3500円くらいの間くらいだと思う」との見解を示した。

米価の歴史的背景と「落としどころ」

米価の歴史的背景にも触れ、「3500円というのは、そんなに珍しい値段ではなく、20年くらい前の値段」だと説明。過去10年間は価格が下落傾向にあったとし、「去年の秋ぐらいに農家さんに言われたのは、今までが安すぎたということ。それが元に戻ったところが、落としどころだと思っている」と現状を分析した。一方で、現在の「4000円台、5000円台というのは高すぎる」との見解も示し、近年の低迷から一定程度回復しつつも、行き過ぎた高騰への懸念も口にした。

小池氏の評価は、消費者支援策を評価しつつも、その実施方法が生産者への配慮を欠き、かつ政府からの明確な情報発信が不足している点を厳しく指摘するものとなった。コメ価格高騰とその対策は、消費者、生産者双方に影響を与える複雑な課題であり、専門家による多角的な分析と、政府による丁寧な説明が今後も求められている。

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