衆院広島5区新支部長にトラブル浮上 東大卒エリート弁護士今井健仁氏の裁判問題

自民党が次の衆院選に向けた候補者選定を進める中、衆院の空白区の一つである広島5区で新たな動きがあった。党県連は、元首相らを輩出した名門地盤で苦戦が続くこの選挙区の支部長として、東京大学卒のエリート弁護士である今井健仁氏(39)を選出した。しかし、党税制調査会長である宮沢洋一氏の次男を公募で破り支部長の座を射止めた今井氏に対し、ある企業買収案件を巡る裁判で重大なトラブルが浮上していることが明らかになった。永田町では衆参ダブル選挙の可能性も囁かれる中、この問題は今後の候補者活動に影を落とす可能性がある。

衆参ダブル選挙の憶測が飛び交い、各党が候補者擁立を急ぐ緊迫した政局の中で、自民党広島県連はいち早く衆院広島5区の支部長候補を決定した。通常、県連で選ばれた支部長は党本部の公認を得るのが通例であり、今井氏の次期総選挙への出馬は確実視されている。しかし、党内には今井氏の選出に疑問の声も少なくないという。今井氏自身が過去のインタビューで語った経歴によれば、京都出身で東京の筑波大学附属駒場中高を経て東京大学法学部を卒業。司法試験合格後、第二東京弁護士会に所属し、大手法律事務所TMI総合法律事務所での勤務を経て独立した、輝かしい経歴を持つ弁護士である。その一方で、広島県との直接的な縁は薄い「落下傘候補」としての側面も指摘されている。

衆院広島5区支部長に選ばれた今井健仁氏の肖像衆院広島5区支部長に選ばれた今井健仁氏の肖像

現在の衆院広島5区は、かつての中選挙区時代の3区と選挙区域が重なる部分が多く、故・宮沢喜一元首相や亀井静香元運輸大臣の地盤として知られてきた地域であり、特に宮沢家が長年にわたり強固な支持基盤を築いてきた選挙区である。次期衆院選を見据え、自民党の宮沢洋一税制調査会長も、自身の牙城である参院広島選挙区とは別に、衆院広島5区に次男の二郎氏を擁立する動きを見せていた。当初、落下傘候補である今井氏が名門宮沢家の二郎氏を破ることは難しいと予想されていた。しかし、公募の結果、今井氏が見事に公認候補となる支部長の座を射止めたことは、関係者の間で少なからぬ驚きをもって受け止められた。

名門地盤での勝利という驚きに加えて、さらに注目すべきなのが、今井氏に対して提起されている裁判である。原告が東京地方裁判所に提出した証拠の中には、被告である今井氏宛てのメールが含まれており、そこには「あんたは結局、弁護士の面を被った詐欺師で、(中略)俺を騙りにかけただけだろう! 今に見ていろよ、天罰みたいに『犯罪者』として告発してやるからな!」といった、極めて辛辣な言葉が並んでいるという。この訴訟は、今井氏が関与した企業買収案件を巡るものであり、一介の弁護士であれば個人の問題として済まされる可能性もあるが、衆議院議員の候補者となれば話は別である。公の立場に立とうとする人物が、このように「詐欺師」呼ばわりされる深刻な裁判問題を抱えていることは、その信頼性や適格性に対する重大な疑念を生じさせる。

今回の裁判問題は、今井氏のクリーンなエリート弁護士というイメージとはかけ離れており、今後の衆院選に向けた活動に大きな影響を与える可能性を秘めている。名門地盤を引き継ぐはずだった宮沢氏の次男を破った今井氏の選出自体が話題となっていた中で、この訴訟問題の浮上は、党内外に動揺を広げている。有権者が候補者を選ぶ際に、その経歴だけでなく、過去のトラブルや倫理観を厳しく scrutinize (評価・検証) する現代において、この問題がどのように受け止められるかが注目される。自民党が次期衆院選に向けて態勢を固めようとする中で、広島5区の候補者を巡るこの裁判問題は、党のイメージにも関わる火種となりかねない状況である。

Source link