BTSジョングク氏、「東京を再び偉大に」帽子で韓国論争・謝罪へ

韓国の人気グループBTSのメンバー、JUNG KOOK(ジョングク)氏が最近、ある帽子を着用したことが韓国国内で政治的な論争を巻き起こしている。除隊後初の公の場に近いイベントでの出来事だった。

事件の経緯と韓国での波紋

ジョングク氏は、韓国軍を除隊した翌日の6月12日、ソウル郊外で行われた同じくBTSメンバーであるJ-HOPE氏のソロ舞台リハーサルに参加した。その際、黒いキャップをかぶって登場したが、その帽子には「MAKE TOKYO GREAT AGAIN」というフレーズが書かれていた。

この文言に対し、韓国内では「政治的メッセージではないか」「日本の右翼的なスローガンに類似している」といった指摘や批判が相次いだ。特に、米国のドナルド・トランプ前大統領が選挙時に使用したスローガン「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」との酷似性が指摘され、議論を呼んだ。韓国メディアの毎日経済は「右翼性向の日本人が使う標語」、中央日報は「極右性向の日本人がよく使う表現」と報じるなど、批判的な論調が広がった。

ジョングク氏の迅速な謝罪

こうした状況を受け、ジョングク氏はすぐに自身のSNSを通じて謝罪メッセージを発表した。「私が着用した帽子に書かれた文言で、多くの方に失望と不信を与えた点を、心より申し訳なく思っています」と謝罪の意を表明。さらに、「文言が含んでいる歴史的、政治的意味を十分に確認できないまま着用した私の理解不足により、失望と不信を与えたということを、重く受け止めています。いかなる理由であれ弁解の余地はない」と自身の認識不足を認め、ファンや世間に謝罪した。ジョングク氏は、問題となった帽子は直ちに廃棄したことも明らかにしている。

ブランド側の釈明

論争となった帽子を制作した日本のファッションブランド側も、6月14日にSNSを通じて謝罪と釈明を行った。韓国メディアのヘラルドPOPが報じたところによると、ブランド側は「不便を感じたすべての方々に心より謝罪申し上げます」と謝罪した上で、デザインの意図について説明した。「私たちはファッションを通じてアイデアを表現できる自由を信じています。このデザインは政治的立場を伝えるためのものではなく、東京ファッション界の繁栄に対する私たちの希望を象徴的に表現したものだった」と述べ、政治的な意図はなく、東京のファッションシーンへの希望を込めたデザインだったと主張した。

人気グループBTSのジョングク氏人気グループBTSのジョングク氏

今回のBTSジョングク氏の帽子を巡る騒動は、個人の着用物であってもその表現が国際的な政治・歴史認識と結びつけられ、大きな波紋を呼ぶ可能性を示した事例と言える。迅速な謝罪対応が行われたものの、その影響は小さくなかった。

参照元

  • 韓国メディア 毎日経済
  • 韓国メディア 中央日報
  • 韓国メディア ヘラルドPOP